観光UXデザインの本質/継往開来
MaaS等の新しい観光施策には消費行動促進のカラクリが沢山潜んでいるが普及の面で課題も多い…。
以下、意外と紙のチケットも悪くないよね!という話。
昨日に訪れた「錦帯橋/岩国城エリア」は従来型の現金支払いが主流でアナログ的だったが、ロープウェーとのセット券(画像)がユーザーエクスペリエンス(UX)的にとても良かった。
理由は切り離し式の券自体が観光のルート順序を決めるガイドとして機能していたからだ。
デザインが超イケてるわけではないのだけど、過不足なくコンテンツが色分けされていて直感的なUIのグラフィック。右側から順に切り離されていき、最後に中央部だけお土産として残る優れ物。
そこに観光体験のUXデザインの本質を見た。
(券をビリっと破く音も含めて)
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近年の自分は、ラストワンマイルのモビリティや観光型MaaS(Mobility as a Service )に興味があって「交通×観光」の肝入り施策を各地で試しているのですが、、、
位置情報や推奨プラン、時刻表、チケットさえもがスマホ1つに収まるという革命的なサービスである一方で、無機質な印象や常にスマホに支配されている恐怖を感じることがある。
現代はあまりにも多くの情報に溢れていて、効率的な旅程を考えすぎるあまり、
「目の前の景色をホントに楽しめている?」
という状態に陥っていまうようにも思う。
案外、スマホだと見たい画面が毎回格納されてしまい煩わしさを感じることも多々あって思うのは、、、
「背伸びした下手なUIデザインでの顧客の取り逃しって結構あるんじゃなかろうか?」
(特にデジタルディバイドのオジオバ層)
そういうことを踏まえると、プランの多様さと同じくらい、絶対このプランで旅しろよ!という強引さも重要に感じる。
選択肢を少なくして目の前の景色に集中させるという「迷わせないデザイン」も技ではないだろうか。
新しくサービスをデザインする者は改めて、行動経済学を履修しろよと思った(何様?)
街先では、「行列」こそが最大の広告とも言われる。駅からの人の歩く流れも然り。
最近は下調べ無しの「行き当たりばっ旅」を楽しむこともしばしば。即物的な心構えや心のゆとりも旅の持ち物リストに入れた方が良いのかもしれない。
(低月収の自分だけれど、散財も思い出のうちというマインドリセットもあり?)
最近読んだスレッドで、
電子マネーは“支払いの実感度”が極めて低い決済手段のため統計的に「使いすぎ」をしてしまうのだそう。売る側(観光産業)にとってはキャッシュレス化こそ消費行動促進の起爆剤になるそうだ。
しかしながら新しい技術やサービスが溢れる中で、目的が「新しいことをする」にすり替わってしまったときに、見落としてしまう「ユーザー視点」ってのが色んな業界にあるような気がした。
特にコロナ対策として色々な場面で五感での体験を失った弊害がそろそろ出てきて回帰に向かうものも多いと予想している。
五感に依拠した体験こそがポストコロナの事業創造の切り札になるだろう。
そんなとき、一つ前の時代の優れたサービスを検証/再実装する必要があるのではないだろうか。
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