大好きなミュージカル「マチルダ」が日本にやってきた。

1つの作品に対してこんなにも想いを言葉にして表に出したことがわたしはないので、とても恥ずかしい気持ちだし、わたしは劇評が苦手なのでこれは決して劇評的なものではなく、ただの演劇好きの根本の感想として読んでもらいたい。

単なる感想なので少し読みづらいかも。


なるほど、ギダルト(一部の子供役を大人が演じる)だったり、美術が布やパネルで出来ていたり、様々な国のバージョンで上演が出来る理由がよくわかった。

わたしはこのミュージカルが心の底から大好きなので、飛行機に乗らなくても行ける日本の渋谷で1曲目の「Miracle」が鳴り響いた瞬間、もう胸がいっぱいでした。

本当に素晴らしい楽曲たち。

このミュージカルを自分が子供時代に観ていたら、絶対に舞台に出たいと思っただろうなといつも思っていたので、日本人の子供たちがこの作品に触れる機会がこうして作られたことは一演劇人として大変に嬉しいし、子供たちがたくさんいる昼間の客席も最高だった。


ロンドンに行って、この作品に出会ってなかったらわたしはきっと音楽劇をやろうなんて思っていなかったと思うし、今のわたしのスタイルに辿り付いていなかったと思う。

小さな体で「それって正しくない!」と叫ぶマチルダにわたしはずっと勇気をもらってきた。

大人になると「正しくない」と声を大にして言うことが怖くなってしまう。真面目に真っ直ぐでいればいるほど、馬鹿にされたり、潰されたりしてしまう。わたしも日々生きていてしょっちゅう心が折れそうになる。そんなわたしの心をいつだって支えてくれているのがマチルダが歌う「Naughty」。これが日本語版で、日本人の少女の歌唱で聴けたことが本当に嬉しかったし、すぐに頭の中が騒がしくなってしまうまるで自分のことが歌われているようでミュージカルという表現に夢中になるきっかけになった「Quiet」が歌われている間中涙が止まらなかった。


何より、マチルダ、ブルース、エリックの三役を力一杯楽しんで演じていた子役たちが素晴らしかった。自分もあんなに生き生きと真っ直ぐに芝居に向き合いたい。


もちろん、この作品はマチルダという天才少女の勇気ある行動をきっかけに、子供たちが自分たちの自由を手に入れるために、果敢に悪の大人に立ち向かう物語なので子供役は全員子供が演じる方が感動は大きいし、メッセージも強く伝わる。でも、多くの子供が出演するこの作品をロンドンで観た時「これは日本じゃ絶対できない演目だろうな・・・」と思っていたので、ギダルトという手法を使ってでも日本に持ってきてくれたことが本当に素晴らしいと思ったし、「まずやってみよう」という意気込みをわたしはこのチームからとても感じて、自分もその気持ちで演劇に向かっていこうと改めて思うことができました。

この大きな一歩が二歩目を作り、いつか子供役を全て日本人の子役たちがやる日が訪れて欲しいと願いました。


わたしは三上野乃花さんがマチルダ役を務めている回を観たのですが、本当に素晴らしいマチルダでした。同時に他の3人の日も全て観たいと思ってしまいました。そして、わたしは中学時代から大塚千弘さんの大ファンなので、大塚さんのミセス・ワームウッド最高でした。



「できない」と言わない演劇作家でありたいと強く思いました。

本当に素晴らしい演目。ラストシーンのセリフと演出の秀逸さ。

最高もう一回観る。

これを日本に持って来たホリプロは「Come from Away」も来年日本に持ってきてくれるらしい。これも日本で観られるなんて最高に楽しみ!

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