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紫の男

愚かさとは思いやりが疎かになっているさまである。バカにしている、と捉えても良い。
彼はその典型例だった。いつも人を見下した態度はトレードマークにすらなっている。
それが変わった。きっかけは分からない。モジャモジャとした髪の毛も、今や跳ねっ返りが懐かしい。
ひとつの社会の中に溶け込んでしまった気がする。
良いのか悪いのか、分からない。
ただ、白い服に包まれた彼はもう安らかに眠っている。

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