🐾ダリア
ダリア
華麗/優雅/気品/移り気/不安定
飲屋街の角にお花がざくざくと刺されている露天のようなお花屋さんがある。
そしておじさんがこちらをちらりとも見ずに事務作業をしている。
近寄ると背の高い一輪挿しに似合うような可愛らしいお花、それも色とりどりの大小様々な薔薇ゾーンが。
ねこ、薔薇が好きだ。
だけど今おうちで待っているのも薔薇だから、他のお花にしようとジロジロ観察。
ねこの家の花瓶は、まっしろなティーカップだから、それに合うのはなんだろうと考えていると、大きな牡丹が…!
…違った。「ダリア」って書いてある。
白いダリアだ。白いカップに白いダリア。
大きな一輪でいっぱいにしたら絶対に綺麗だなって。
また白いお花を買ってしまう。
清楚で純粋で天真爛漫さを感じさせる白いお花。
買ってから、ダリアについて調べる。
花言葉はだいたい良い言葉と悪い言葉が並ぶ。
綺麗なお花にだって、綺麗じゃないところがあるのだ。
虫が寄るとか病気になるとか、枯れてしまうとか。生きているから。
そしてダリアの和名は「天竺牡丹」。
牡丹やん。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花と見せかけて、どこからどう見ても猫背のねこ。
そういえば前回も今回も百合があったけれど、カップでは無理そうといつも諦めるのである。とても残念だ。
いつか百合を迎えられるような背の高い一輪挿しが欲しいけれど、ねこはきっと倒してしまうだろうなあとぼんやり。
そしてダリアのためにお花用の栄養剤を買おうとインターネットの海に飛び込む。
昔どこかでもらった栄養剤を入れた花瓶と、入れなかった花瓶では、お花の寿命が全然違ったのだ。
そして目に入る「切り花延命剤」という文字列たち。
強烈なネーミングだ。
延命剤なんて、無理矢理生かすための薬だ。
さすがに気が引けるので「ロングライフ液」とかいう浮かれた名前のものを購入。これは肥料だ。
お花をひとつ買うたびに、こんなにたくさんの言葉が綴られる。お花のある生活。ふふーん