【散文】 「社会保険が高すぎる!」と叫びながら、闇バイトをクリックするあなたへ
最近、闇バイトに関するニュースをよく聞くようになった。
闇バイトの定義は明確ではないが、反社会的行為に助力するアルバイトと考えていいだろう。
募集の手口として、近年定着しつつあるスポットバイトのプラットフォームへの掲載があるようだ。
反社会的勢力からの求人募集を完全に検閲することは難しいから、闇バイト問題は各プラットフォームにとって極めて困難な課題になる。成長有望領域と思われていたが、冷や水をかけられた形だろう。
日本は人口減少社会に突入し、とにかく人が足らない社会になっている。その中で、副業を容認していく流れは必然的なもので、近年どんどん緩和に向けて動いている。
その証拠に、国も制度を見直し、企業が副業を許可しやすいように法改正も視野に入れている。この流れは止まらないだろう。
これまで硬直的であった領域が、外圧によりなし崩し的に破壊されるとき、どうしても歪みが生じる。
そんな歪みをついてくるのは、何も有能なビジネスマンだけではない。反社会的勢力もしたたかに狙ってくる。
とはいえ、「夜中に指定された道を通り、猫が居たところに地図上で印を付ける。その間、携帯電話や荷物は預かる」などというあきらかにおかしな募集内容に対し、実際に応募があることには驚かされてしまう。
また、闇バイトで強盗を行うなど、事前に犯罪行為であることがわかりきっているのにやってしまうというもの理解に苦しむ。
「お金が欲しかったから」という理由は古くからあり、珍しいものではないが、「この仕事は怪しい。犯罪かもしれない」と感じないのは深刻な状態と言える。
そんな奴は、ホームラン級のバカだから。
そう総括してしまえばスッキリする。
実際に異常なまでの好条件に対し、何のスキルも経験もない自分でもエントリーできてしまうことに疑いを持たないのだから、ツーベースではなくホームラン級であるのは間違いない。
身の丈以上のものは手に入らず、手に入れたければ自分が成長するしかない。
そんなシンプルな真実は、学校生活や受験や就活で嫌というほど味わってきたはずだ。
なのに「これはチャンスだ!」と信じて、飛びついてしまう。
自分は特別だと無邪気に信じ、それを疑うことをしない。
もしかしたら、ホームラン級のバカではなく、ホームラン級のピュアなのかもしれない。
どちらにしろ、あまり関わりたくない人たちである。
そして、そんな人たちが、ある発言をする人たちに重なって見える。
社会保険料が高すぎる、と批判する人たちだ。
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僕は本業とは別に、副業として会社の代表取締役を務めており、役員報酬を受領している。役員報酬は給与所得だから、当然に社会保険がかかってくる。
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