シゴデキな僕が、無能なパイセンに勝てない理由
会社員を長くやっていると、本当に価値のある能力がわかるようになってくる。
毎朝掃除しているあの人を見て、そう感じずにはいられない。
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会社員として求められる能力は多岐にわたる。
大前提として、業務を遂行できる能力は必須になる。そうでなければ、足手纏いになって終わりだ。存在価値を示すこともできない。
とはいえ、ある一定以上の会社であれば自分の能力に見合った仕事というのはあるもので、自然に、または意図的に、そこに収まっていくのが普通だ。
能力がそれなりに高い若手が
と、不満を漏らすのを聞いたことは一度や二度ではないし、僕も同じようなことをもっとひどい言葉を交えて言っていた。その気持ちはわかる。
しかし、それは組織が組織であるために発生する仕方のないバグだ。
日本の法律では簡単に従業員を解雇できないし、採用段階で人物査定を完璧に行うことは不可能である以上、そういったフリーライダーは一定数発生してしまう。
そもそも、フリーライダーを非難する自分たちだって、何かの拍子にそうなる可能性がある。それを勘定に入れないのは浅はかというものだ。
勤続年数が長いのに能力が低い人でも、収まるポジションがあるのは基本的に喜ばしいことだ。簡単には否定できない。
一番悲惨なのは、中途半端に出世してしまい、その上がった役職に見合った能力が発揮できず、降格することもなく成果を求め続けられる人だ。
立場と能力が見合ってない人。
本来であればそこまで昇進させるべきではなかったのだが、温情や穴埋めなどで昇格してしまう人がいる。
そうなると、本人としては地獄だ。足りていない能力以上の成果を常に求められることになる。
降格してしまえば問題は解決だが、業績や能力を理由に降格させる仕組みはないため、ラクになることも許されない。見ていて辛くなる時がある。
Aさんは、そんなタイプの人だ。
僕は昔、彼が嫌いだった。
でもいまは、彼の価値がわかる。
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Aさんは典型的な肩書きと能力が釣り合っていない人で、周りからは完全にそう思われていたし、本人もそう思っていた。
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