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タイムスリップコップ / 毎週ショートショートnote

「先にお飲み物お伺いしましょうか?」
バーに入るなりカウンターに美女を見つけて口説き始めた僕にマスターが聞いた。彼女から目を離さず手で追い払う。
「ではタイムスリップコップンカーを。」
何だそれ。カクテルか?まぁ何でもいいや。
「隣いいかな。」
僕は図々しく彼女の隣に座る。
「この店はよく来るの?僕は初めてでー」
「どうぞ。」
話を割るように彼女と僕の間にグラスを置く。気の利かないマスターだ。
「よく混ぜてお飲みください。」
マドラーを回すと層になっていた謎のカクテルが混ざり合い…あれ、何だか目の前も回り出したような…いやまだ一滴も飲んで無いのに…

フッと男の姿が消えた。
「やっぱりカクテルがタイムスリップの鍵なのね。でも…彼らはどこへいくのかしら?」
「さあ…。誰も戻ってこないので。次の被験者には帰りの分のカクテルを持たせてみましょう。ところでー」
マスターがグラスを片付けながら聞いた。
「ご注文はいかがなさいますか?」

タイムスリップコップ…コップ…そうだ!今更だけど、たいらさんの企画「たいらとショートショート」に絡めちゃおう。なんて軽い思い付きで書きましたが、最初と最後の文が決まっているのでさらに字数が少なくなる地獄。美女はタイの女性にしようと思っていたのに無理でした。たいらさんの募集、ひっそり締め切っていたらごめんなさい。

#毎週ショートショートnote

#タイムスリップコップ

#たいらとショートショート

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箔玖恵
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