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風の便りに陽だまりの開花

麦茶の補充に追われる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
お盆休みの日、我が家のベランダが恐ろしいほど暑いので、卵を使った自由研究をしました。卵白をベランダに2時間ほど放置してみたところ、完璧に固まっておりました…(◎_◎;)本当に皆様、熱中症にはお気を付けを…!

今回は言葉の添え木様のお題で作った詩を4編、Payao様が企画されている「#深夜の二時間作詩」に参加した詩を1編ずつお送りいたします。



千の言葉が紡ぐ詩

心が空いてきたら

頭のキッチンで詩を紡ぎましょう

甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱい
千の言葉を切ったり茹でたり

新鮮な言葉のサラダには
サウザンアイランドドレッシング

お好みでどうぞ

すべてお好みで



陽だまり

真昼の月を見上げる人
痩せた鷹の孤独を想う人
陽だまりの人々
ヒトゲノムの陽だまり

寒気の塊が
ほろほろほろほろ
崩れていく

陽だまりを譲る人
生きている君
陽だまりの人々

歓喜の陽だまりを
ぽかぽかぽかぽか
拡大していく



陽光

果実を食べる
陽光の結晶を食べる
じんわり東側から暖まる
じゅわっと光の甘さが広がる

新しい結晶化が始まるまでに
あと何回、どのくらい
陽光を浴びるだろう

手のひらを見る
陽光の結晶を見る

やっぱり生命線が薄いなぁ
なんて思ったりする



開花(#深夜の二時間作詩)

花びらを素因数分解したら、ほら
なんてフィボナッチ
分解した花びらを輪に戻す君

夏にも秋にも冬にも開花したら、ほら
なんともフィボナッチ
目撃した春嵐を忘れない君

心配ないさ君はフィボナッチだから
いまにも開花しそう、ほら
だって君もフィボナッチだから



風の便り

突風が吹きぬけて
たった一行の便りが風から来る

うわさ話も雲ごと風が吹き飛ばして
太陽は一筆箋いっぴつせんを眩しく照らす

厳選された素っ気ない爽やかな一言
優しく背中を押して霧散する一言

風の便りがひゅっと飛んでくる
透明な命たちへ、風より



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水月suigetu
お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。