豊かさも暗く、当たり前にレソロジカ。サギソウの流星雨
Twitterで毎日お題を出されている言葉の添え木様から、お題を拝借して作った詩5編と、オリジナルお題の詩1編をお送りいたします。
先日ついに500個目のお題を達成された言葉の添え木様は、noteでも詩を発表されています。ぜひぜひ、言葉の添え木様の優しい詩もご堪能ください。
暗
マンタとエイと、ジンベイザメ
光遮り、喜びの暗い影、落としながら
悠々、ゆらゆら、ゆっくり
透明チューブを通りすぎる
マンタとエイと、ジンベイザメ
順番は決まって マンタとエイと、ジンベイザメ
気づいた日
ガラスの中の、チューブの中にも
暗い影
当たり前
当たり前の後ろに
ハズレの焼き印
もう一本貰えるつもりで
悲しくなっちゃって
君にまたね、と手を振る時
当たり前の再会の後ろに
アタリの焼き印があることを
願ってる
サギソウ
夢の卵は蕾
蕾の夢は卵
産まれたサギソウ
その翼を撫でながら
あなたを想いたい
サギソウが宙を飛ぶ日も
あなたを想いたい
卵が先かサギソウが先か
どっちでもいいくらい
あなたを想いたい
豊か
豊かさ
何にも代えがたいもの
だからさ
行列の先では売られていない
きっとさ
君がずっと持っているもの
なんじゃないかな
なんてさ
流星雨
紫陽花がはらはら降ってきた
流星雨のはずだったのに
僕の顔の上にだけ
くすくす、はらはら
初夏の夜だけ
君は座敷わらし
枯れてしまう前に星にしたの
何になる前に星になるの
私、残酷かな
ほら、流星雨
何にもわかんないまま、降ってくる
僕は曖昧地蔵だから
わかんないや
レソロジカ(オリジナルお題)
カーテンの裾に肩を叩かれて
目蓋の扉が開いた
ちょっと寒くて
床に投げ出した身体を縮める
ああ今、何も考えてない
今この瞬間を頭にメモしたいのに
言葉はああ、行方不明
レソロジカ
空に通りかかった飛行機からは、私が見えない
床に転がる私からは、飛行機がくっきり見える
そういう奇跡と不思議に
底無しに満ちてて
言葉が万年迷子
レソロジカ
迷路が苦手なのに好きな気持ちは
レソロジカ
指の腹のひび割れが
透明なステンドグラスみたいで
レソロジカ
お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。