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t0m0y0
ヴィレッジにて王冠はアルト
今年も時々、詩を詰め合わせていこうと思います。よろしくお願いします!(*'▽')
最近パソコンをやっとこさ買い換えまして、動作の速さや増えた機能に日々感動しております。さっきも見たことのない可愛い顔文字が出てきてびっくらこ。
今回は言葉の添え木様のお題で作った詩、五編をお送りいたします。添え木様、今年もお世話になります。
パスワード
パスワードが増えて朽ちて
ふかふかのクッションに
開けられることのない錠前は
増えて朽ちても鉄のまま
心のうちに転がって
異国には
愛で育った錠前の大樹があるという
パスワードの落ち葉に包んで
無機質な錠前を
ふくふくな木の芽にしたい
Village
宇宙の果てのヴィレッジにて
取れたボタンを縫いつける
ぼんやりして集中して
針が糸を先導する
しゅるり、繊維の隙間を潜り抜け
ふわり、身体が浮き上がるような
星と星の間にあるヴィレッジにも
尊い生活がぽつぽつ灯る
棘
サボテンの棘は棘じゃない
主張してみても
返ってくるのは渇きと棘で
花瓶に収まるダリアやバラ
タンポポ、ひまわり、健気なイエロー
仲間たちを包みこむ、かすみ草
羨ましい
思えば棘がまた生えて
トゲトゲする自分にも水を
甘い水をたっぷり
瑞々しい棘になるように
Alto
ソプラノより少し低い高度で
たなびく雲のアルト
緊張を帯びても
のびゆくアルトは、君の声
上昇気流にひらめく
細かな水分子たちを支える
低空飛行の声は
アルトの君の雲
王冠
ミルククラウンを被りまして
マトリカリアの花を手に
とうとう、閉じた扉を開ける
再生可能な集う喜び
七色の飴玉は溶けていたけど
相変わらず美しき味
知った喜ばしい事実
香ばしそうな紅葉と
覚えたての花の名を握り
ミルククラウンを被り直す
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