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祖母の誕生日ー11月13日

さあ仕事しようというとき、お湯を沸かし、コーヒーを淹れるのがいい切り替えだった。なのに今日、今年初コーヒーブレイクかもしれない。

コーヒーブレイク用にイタリアンロースト珈琲豆があったはず。キッチンを探す。朝用のコーヒー豆があるだけ。いつからかブレイク用を別に用意するのをあきらめ、買わなくなっていた。出番がない。

同居する家族、つまり母に短期記憶障害があるということは、かくもこういうこと。PCを自室から居間に移し、台所だ納屋だと家事をやりながら細切れにPCを覗く生活は、時間の切り替えを失う。切れ目がない時間が24時間続く。

コーヒーブレイク用にお湯を沸かす時間すらもったいない、もある。これが大きい。このもったいない感覚はからだにわるい。

あるご夫婦で、奥様の短期記憶障害が最近急に進んだという高齢男性の話を聞く機会があった。ふだんはにこやかで元気な方なのに表情が辛そう。わたしとて他人事ではないがどうすることもできない。お互い火だけは気をつけましょうと話すのが精いっぱい。

今日は母方の祖母の誕生日。命日はたまに忘れても誕生日は忘れない。祖母と暮らしていた頃も離れていた頃もずっとお祝いしてきた。今日おたんじょうびね?と言ってみたら、母はすんなり覚えていた。長期記憶はまったく大丈夫。

祖母に教わったこと、いろいろ思い出す。一番はヨモギ団子と、布団の打ち直し。包丁の使い方に糠みそ、台所のいろいろはだいたい祖母に教わった。いまも下手だが、針と庭鋏も祖母。手慣れた道具を使えば祖母のおしゃべりと手つきをなぞっている。十代で母親を亡くした祖母は苦労した長女らしく、昔話をしては長女の私に厳しかった。

カネミ油症は高度成長期の負の遺産といわれる。事件発生から半世紀を過ぎて、このごろ光が射したという。メディア報道も増えた。

昨日は油症の被害者が思い思いに語る高砂集会に参加した。わたしはオンラインで短いプレゼンをした。ほんの少しでも役割を果たせたならそれでいい。

そういえば、祖母はほとんど着物だった。エプロンはだめで割烹着だった。好きだったのだろう。

わたしが高度成長期より前の暮らしが好きなのは父方と母方、大阪と横浜、二人の祖母のおかげかもしれない☆






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