『「書く」習慣で脳は本気になる』
今日読んだのは、茂木健一郎著の本。
私は興味のある本をポイポイっと買うクセがあるのだが、その中で茂木さんの本は比較的多い。タイトルで自分的に気になるものが多いのだろう。
脳科学者というバリバリ理系な職種と思われるのに茂木さんの頭の中はなんだかとても文系な感じがする。文系理系という区分けが今やナンセンスだと思うが、ここはひとつ私が「そういう感じがする」ということにしておいて欲しい。
脳は遊ぶことが大好き、だそうだ、、、強制や課題などやりたくないけどやらなければならないことは、ゲームのごとく遊びにしてしまう。人間、努力と根性ばっかり言われたらイヤになっちゃうよねー。自己欺瞞のごとく本当にやりたいことを隠して自分を騙すのではなく、本当にやりたいことにしてしまう。そういう技術って必要だなと思う。
本書では後半部分にもいろいろと面白いことが書いてある。例えば話し言葉と書き言葉の寿命の違い。仮にも言葉を飯のタネにする私だが、そういう視点は考えたことなかった。書き言葉がベースにないと話し言葉は洗練されないと思っていた。でも話し言葉の方がその場で消えてしまうがゆえに生きてるのだと。ならば私はいつも生きている言葉を操っていることになるのか。
最後に面白かったのは、人生には偶有性が必要だというところ。坂本龍馬のように偶有性に満ちた人生を送るには「脱藩する」しかないのだそう。現在で脱藩って???と思うけど、組織に属しない、もしくは組織に自分のプリンシプルを依存しないということらしい。組織に属せず、自分の生き方を決めるということなら、大卒でいくら就職氷河期だったとはいえ、同時通訳者を目指してバイトや派遣社員やってきた私の若いころは当てはまるかもしれないし、そう考えると中学を不登校でN中でネットコースを受けてるうちの息子はなるべくして偶有性に満ちた人生を送ろうとしているのかもしれないな。本筋とは関係ないけど、何気に納得した部分だった。
茂木さんの本にはある程度同じことが書いてあるけど、その概念が分かりやすいのは本書だと思う。思考思索の好きな方には向いている本なので、茂木さんの本を読んだことがないのなら、本書を最初に読むことをお勧めする。