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【休息】

ベッドの上で一日を過ごす
スマホの中の退屈な他人の日常

私を悦ばすものはなかった

さりとて
私の中の空洞は
もう隠しきれない

休息という名の虚無
日々切望した贅沢

時折嫌がる猫を無理に撫でて
抵抗されては解放し
また心を赦して近づいたのを
懲りもせず撫で付ける

食事をとる気力もない
一日くらい食べずとも
豊富にある贅肉がなんとかしてくれる

そうだ
昨夜冷蔵庫に入れた
水出しのアイスコーヒーが
出来ているはずだ

昨日の自分に礼を言う
お腹の虫が鳴った
生きる気力はまだ残っている

幸せを願う

そこに自分が不在だ
内面に目を向けてばかりいる
不幸を回避することに
必死になりすぎている

慣れてしまってはいけない
耐え忍ぶだけが美学じゃない

きちんと休んだ
そのことを褒める

でも私を癒すのは
ベッドに横たわることよりも
もっと他にある

だからいつまでたっても憩まらない

何か食べて
もう少し眠ろう

生きていれば
いいこともある

退屈な今日をやり過ごして
待ち受ける明日に備えよう

本当は
倒れるまで遊びたい
限界など定めずに
夜の明けるのも構わずに

大人の分別などないのだ

楽しいことがあったら
気を失うまで没入していたい

今が最後の時ならば
私は何をするだろう

思いを巡らせても
答えなど見つからずに
また猫を撫で付けるのだ

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