
(66)ザボン
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このシリーズは散歩中に見た300種くらいの植物を紹介していくシリーズです。
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ザボン
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原生地は東南アジア・中国南部・台湾など。
日本には1688年(元禄元年)から1780年(安永9年)の間に伝来したとされる。
一説では広東と長崎を行き来する貿易船が難破して阿久根に漂着し、船長の謝文旦から救助のお礼に贈られたという。
日本伝来の地は鹿児島県の阿久根市とされ、生産量も多いことなどから1971年に市の木に制定されている。一方、琉球の書物『質問本草』にはザボンの種子を浙江の船から得たという記述がある。
インドシナやマレー半島に広がりながら種類を増やし、西へはポメロの名で伝わり、東へは中国から台湾や沖縄、鹿児島へ柚(ゆ)やザボン、ブンタンなどの名で伝わったものと考えられている。
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ザボンの樹は3メートルほどまでに育ち、その果実は品種により直径15から25センチメートル、重さ500グラムから2キログラムまで様々な大きさに育つ。
ザボンはマンダリンオレンジやシトロンなどと並ぶミカン属の交雑種ではない真正の種の一つである。
ザボンは自然交雑・人為的交配により色々な品種を生み出しており、グレープフルーツ・ナツミカン・ハッサクなどはザボンの流れを汲んでいる。ザボンそのものも品種が多く、西日本(特に高知・熊本・鹿児島)では色々なザボンが栽培されている。
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