
(43)ミステリーローズ
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このシリーズは散歩中に見た300種くらいの植物を紹介していくシリーズです。
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ミステリーローズ
誰が植えたのかわからないが長年生えている
由来がわからないバラの総称だ。
一般的に観賞用のバラは病害虫に弱く、栽培にとても手間のかかる植物なのだが、
ミステリーローズは違う。
まず、開花時期が普通のバラより早い。
そして
環境の変化に強く、病害虫に耐性があり日陰に強いものもあり
長寿で少なくとも数十年は生きていると推定されており
チャイナ系統またはティー系統に分類されるバラが多い。
1979年にバミューダ諸島で、ある種のバラが発見された。
それは、絶滅したと思われていたモダンローズと呼ばれるバラの祖先に当たる種類で、
なぜバミューダで生育していたのか、謎に包まれている。
このことは、世界中のバラに関わる人たちにとって非常にセンセーショナルな出来事だった。
日本でも長崎県平戸で、由来がわからないバラが発見されたのを始めとして、
由来のわからないバラが各地で発見されている。
寺や神社、大きな屋敷の中や近辺が多いそうだが、住宅地の垣根などで見つかることもあるという。
この台本の筆者は、
長年の散歩中、生垣の中や雑木林などで、
「なんでこんな所に一つだけ?」 という感じのバラを見つけて
不思議に思っていたと話す。
専門家に調査や鑑定をしていただいたわけではないから
正確には「ミステリーローズ疑惑があるバラ」というだけではあるが
管理されていないのにもかかわず、長年ポツンと勝手に咲いているのは、さきにあげた性質からして可能性は高い。
日本のバラの歴史は意外に古く
中国から伝来したらしく 源氏物語にも登場してくるが、
いつ頃、どんな人たちが持ち込んだのかはっきりしていない。
大昔に伝えられたバラが野生化して生き残っていたのだろうか?
発見されてもされてもミステリーは続くのだ