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レモンジュース、レモン2個増しで。
って注文すると、
「えっ?」
って、店員さんによっては聞き返される。
知ってる店員さんだったら
「シロップ少なめでいいですか?」
って言ってくれる。
どんな時に飲むかと言うと
どうにもテンションが沈んだ時や
夏、暑くて暑くてどうにもできない時。
口の中がきゅってなって
その後じわあって、甘さがほどける。
なみなみ注がれた半透明の酸っぱ甘い液体。
普通のは甘酸っぱい。
2コ増しにしたら、酸っぱ甘い。
なみなみの液体がこぼれないように
そおっとストロー刺して
すぅーーーっと吸い上げる。
時々氷をかき混ぜて、
カランカランと音も楽しむ。
後半戦は輪切りのレモンを
ストローで貫き
ざくざくざく、とグラスの底の方で
果肉を弾けさせる。
風味がぶわっとあがるのよ。
初めてレモンジュースを飲んだ時
「甘っ」
って思った。
それから、1コ、2コ、3コと増していき、
落ち着いたのがレモン2コ増しだった。
カウンターの奥で半分に切ったレモンを力いっぱい絞る店員さん。
手のひら絶対檸檬の香り。
ありがとう。
何かしたいのに、パソコンを開いた途端
何すればいいか分からなくなった。
やらなきゃって思ってるのに
何やるんだっけ、ってなった。
誰かと話したくて、常連さんだらけの喫茶店に行ったけど、何話せばいいんだっけ
ってなった。
空気が抜ける風船みたいに
しゅるしゅる気分が沈んでいった日。
レモンってあらゆるものをレモン色に染めていく。
味も香りも。
パンチの効いたからあげにだって対抗できるくらいだ。
だから沈んだ気分の日はレモンジュース。
からあげにだって打ち勝つレモンは
沈んだ気分になんか圧勝だ。
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ついでに晩御飯。ナポリタン大盛り。ほんとに多い。おなかいっぱいになる。1回、おやつ食べたけどまぁ食べたいし、と頼んだ時、焼肉で食べすぎた小学生みたいになった。ギブ寸前。危なかった。濃厚ソースが美味しくて美味しくて。濃厚すぎてフォークで巻いても巻いても巻きついてくる麺。多少口の周りがソース色になってもご愛嬌。欠片も残さずに食べ終えて、レモンジュース飲むと、最高にスカッとする。満足感と程よい刺激。ふう、と息を吐いて椅子の背もたれにゆっくり体を預ける。
多分明日も頑張れる。
これからもお世話になります。喫茶gionさん。
レモンジュースシロップ少なめでいいですか?
って聞いてくれた店員さん、もうちょっとで卒業らしい。
寂しい。