サッポロ一番塩らーめん
私はサッポロ1番と言えば塩派である。
味が好きなのは勿論だが、父が作ってくれた思い出の味だからなのだと思う。
我が家は両親共に働いていたため、父が食事を作ってくれることがあった。とは言っても料理が好きでも得意でもないため、クックドゥやインスタントを活用したものがほとんどだった。そして父の料理の代表格がサッポロ一番の塩らーめんだった。キャベツとネギと落とし卵の入ったシンプルなラーメン。食べ盛りの頃は、残った汁にご飯をいれておじやにした。私は父の作るサッポロ一番塩らーめんが好きだった。
"きのう何たべた?"というドラマに出てくるサッポロ一番味噌らーめんがあまりに美味しそうで、大人になってから初めて味噌も食べてみたが、私はやっぱり塩の方が好き。
きっと父の作ってくれた料理、という特別感がそうさせているのだと思う。
自分で作るときも、あの時と同じキャベツとネギと落とし卵。これが一番しっくりくる。
私の夫は料理が好きなため土日は積極的に台所に立ってくれる。普段私は30分ほどでパパッとご飯を作るため、夫が凝った料理を作ったりすると、娘達は興味津々で覗き込んでいる。
「ママもパパもどっちもご飯作るの上手だね!」と褒め上手な長女が嬉しいことを言ってくれるので、夫も満足気である。次女はもともと食に興味が薄いが、家族みんなで揃ってパパのご飯を食べる、その空気が好きなようで、いつもより集中して食べている気がする。
きっと母親と父親では、子どもたちから見た役割が違い、でもどちらも大切な存在。
だからこそ、たまに食べる父親の料理の味が未だに忘れられないのだろう。
娘たちも大人になった時「この料理と言えばパパだよね!」「美味しかったよね!」
と思い出と共に、好きな料理になってくれたら嬉しい。
そんな我が家の今日のお昼はサッポロ一番塩らーめん。今日も変わらず美味しかった。