
最近買ったZINEの感想文(4/4)『ツヅル』vol.10 地中海性気候さん他
創作仲間が文章を書いた4冊のZINEの感想文を書いてます。今日が最終回。
ある日、XのグループDMにお知らせが届きました。
一度お会いしたこともある地中海性気候さんの作品が、谷川俊太郎さん公認の『俊カフェ』が発行するZINEに掲載されると。
しかも、19人の著者がいる中でトップバッターを飾るという。
それはめでたい!
谷川俊太郎さんの詩に『男の子のマーチ』というかわいらしいのがあって、昔から好き。迷いなく購入しました。

表紙のイラスト、かわいいですねえ。
この中には詩と散文がたくさん詰まっています。19人それぞれの世界観を表した言葉が、短いページにぎゅっと凝縮されている。
たとえば「2ページ使って自由に言葉で表現してください」と言われて、さてどんなふうに書くでしょう?
その捉えようが、著者によってまったく自由なんです。
よく見る詩の形式の人もいれば、写真を挟む人、答案用紙みたいな書き方や、言葉をぶつ切りにする人まで。
俳句や短歌を読んでも思うけど、詩や短い散文も、言葉が色濃い気がします。限られた字数の中で表現される世界って、独特の凛とした佇まいがある。
地中海性気候さんの作品『ハンカチをとどけに』は、ごく短い童話のような小説です。一度読み、二度めに読んで、うれしいような、かなしいような、でもやっぱりほんわかする、ちょっと不思議なお話。
離れて住む母の顔が思い浮かびました。
この本を編集された『俊カフェ』のオーナー、古川奈央さんがあとがきでこう書かれています。
「みんながツヅル 小さな言葉たち」とキャッチフレーズをつけて始まったこの小冊子。初めて活字になる文章を書いた方から、多くの媒体に作品を載せている方まで全員が横並びで、「読後感が良い」ということだけを念頭に置いて編集をしてきました。
その通り、みんなの作品が横並びで、読んだあとは作品ごとに、違った種類のあたたかな感情が湧き起こる1冊です。
『俊カフェ』は札幌に実在していて、もちろんそこで購入できるし、ネットショップでも販売中です。
脚本を勉強中の地中海性気候さん。短いエッセイに綴られる風景が、目の前に広がって見えるような。
ここにも独特の景色があります。最後に置かれた静かな決意に、私の背筋も伸びました。
いいなと思ったら応援しよう!
