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手仕事Gift
とってもシャイな人なので、事前に「書いていいですか?」ってDMしたら、「いいですよ!ちょっと照れ臭いけど」とやっぱり恥ずかしがりながらもOKしてくれました。
Giftをね、貰ったんですよ、その人に。夏の終わりごろから「なんか作ってるな〜」とは思ってて。
きょうも師匠の工房にお邪魔して作業。 pic.twitter.com/GHBIIUbqeG
— ふみぐら社/『東京嫌い』責任編集 (@fumigura) September 5, 2021
↑水琴窟?(映り込んでるのはふみぐらさん?)
午前中は職人作業 pic.twitter.com/wuQYastvwF
— ふみぐら社/『東京嫌い』責任編集 (@fumigura) August 31, 2021
↑墨絵でも習い始めたとか?
ちょっと企んでる。画像は師匠が試作のためのあれをあれしてるとこ。 pic.twitter.com/w8nPMd1Szo
— ふみぐら社/『東京嫌い』責任編集 (@fumigura) August 22, 2021
↑なんだろう、これは。「企んでる」って何を?
なんだろ…全然思いつかない。藍色かな?師匠の爪まで染まってる。綺麗ですね。
— 猫野サラ (@nekonosara28) August 22, 2021
(「師匠」で反射的に落語の人のアイコンが思い浮かんだのがちょっとくやしい)
あの師匠!!! ちょっと吹きました。
— ふみぐら社/『東京嫌い』責任編集 (@fumigura) August 22, 2021
呑気に会話してたんですが、このとき私が予想してたのは、ふみぐらさんが小さなお店を始めるんじゃないかって。その、ちょっと変わった布製の看板を作るのに、象形文字かなんかの練習してるのかなあ?と思ってました。
象形文字は合ってた。布も合ってた。ここまではっきり写真にもなっているのに、全然わかりませんでした。
だってさ、これがGiftとしてうちに届くなんて!夢にも思わないじゃないですか!
手染めの手ぬぐいだったんです。なんということだ!!!
四つ折りの小さなパンフレットの表には、
「寄せ文庫」製作委員会のみなさんへのギフト
とあります。中を開くと、「藍染め手拭いについて」の解説や、「デザインについて」の説明が丁寧に書かれていました。
私のところに届いたのは「人と出会う」でした。て言うか、このパンフレットもすごくない?「寄せ文庫」製作委員会スタッフ9人のためだけに、こんなの作って印刷するってすごくない?説明文でもふみぐら節。ちょっと待って。
更にこの隣のページには、工程作業中の写真が4枚載っていて、そこにも解説文が添えてありました。
左上/青花液でデザインを描いていきます。
右上/描いたデザインの上を縫って染まらないように固く絞ります。
左下/ムラにならないよう常に動かしながら3分間染め液に浸します。
右下/染めと酸化(空気に触れさせる)を繰り返すこと5〜6回。
デザインはヤギさん。絞りは妻ヤギさん。染めはお二人で。
ヤギさん楽しそう。長靴が似合ってる。
このパンフレットと手ぬぐいと、一筆箋にしたためられたお手紙を手に取って、私はしばし呆然としました。こんなに手の込んだGiftってあるだろうか。これほど細部にまで心のこもった贈り物を、たった一組のご夫婦が9人ものひとのところへ届けようと思うだろうか。
ふみぐらさんと奥さまが、このGiftにかけた丁寧で深い愛情、費やされた尊い時間が、自分の体の中へじんわりと染み入るのを、私はじっと待ちました。待ちながらこう思いました。ああそうか。いま私がこうして感じているのと同じ気持ちを、お二人も感じたんだな。『ふみぐら小品』を手にしたときに。
自然とそう思えて、私のいる岡山とふみぐらさんたちの住む信州が、まるで一本の太い糸で繋がったように感じました。『ふみぐら小品』は、作って届けて終わりじゃなかった。この手ぬぐいのGiftが贈られて初めて、完成したのだと思いました。
パンフレットの裏側に「使用上の注意」が書いてあります。
*できれば手拭いは大切に取って置くより、がんがん普段使いしてもらえたら嬉しいです!
使いますよ。がんがん普段使いしますとも!私はタオルハンカチの代わりに持ち歩くほど「手ぬぐいユーザー」なので、外出先のトイレのあとに手を拭いたり、草むしりの汗をぬぐったりと、ばんばん活用しています。「ヤギ手拭い」はほかの手ぬぐいにない柔らかな肌触りが魅力。手洗いするたびに愛着が増しています。
これ、たまたま家に転がっていた瓶なんですけど、
無骨で頑固な佇まいが、どうでしょう。
探検好きのかわいい勇者にでもなったかのよう。
これからお鍋の季節は蓋を取るのにも重宝します。信州のヤギの毛並みと立派な顎髭に思いを馳せながら、手仕事Giftを愛用するぞ。
ヤギさん、妻ヤギさん、大切な日常を私たちのために使ってくれてありがとう。たっぷりの愛をありがとう!
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