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「#寄せ文庫」推しふみnote

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ふみぐら社さんに届ける「#寄せ文庫」企画に寄せられたnoteマガジンです。https://note.com/nekonosara/n/n1b9e159e6140 (告知や読書感想…
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#小説

「#寄せ文庫」便り③ 信州のヤギさんに捧ぐ

『ふみぐら小品』が完成しました。 信州に暮らすふみぐらさんと、全国からご予約くださった方のお手元へも無事に届いたようで、たくさんの報告メッセージが窓口の私に寄せられています。 いの一番にDMをくださったのはふみぐらさん。奥さまと手に取り時間を忘れて読んでいるとの言葉に嬉しくなり、ちょっぴり涙が出ました。 思えば本当に信じられないぐらい、たくさんの人に力を貸していただきました。編集作業を手伝うと言ってくれた人。心のこもった感想文を書いてくれた人。サポートをくださった人。寄

noteに救われた土

どうやって還そうかな。 ずっと考えてる。今回の入院でほんとに思いがけないほど、たくさんの人からたくさんのものを受け取った。 いただいたかたちは、それぞれ違うけれど、みんなnoteで出会ってnoteで繋がってる人。 おかげで、僕の「土」や「身体」は養分をもらってなんとか枯れずに済んでいる。 ひとまず、目の前の危機は回避できたねと先生から言われて退院できて、ようやく本来の疾患の治療に向き合ってる日常。 ゴールなんてよくわからないし、ほんとにあるのかどうかも見えない。でも

おなじ夢をみていたような気がした。#寄せ文庫

行き場のない想い、 行き場のない言葉、 行き場のない自分。 コインロッカーって久しく行っていないけど。 そこを管理する仕事もしている彼らは、引き 取り手のないコインロッカーの中の忘れ物に 舌打ちを打つ。 そこにあるのは見知らぬマンションの写真が、 いつもの封筒に入っているだけのものだ。 それは誰かへのメッセージなのか。趣味なの か。ストーキング癖のある誰かの仕業なのか。 答えはない。ただ写真が残されているだけだ。 そしてかつて残されていた未だに引き取り手の ないもの達

続編のようなオマージュを #花束郵便

たなかともこさんの企画に参加します。 ふみぐらさんの短編・写真に添えられた短い一文、そしてがっつりと書かれた文章。どれもふみぐらさんの「らしさ」が滲みます。同じ様に、とは行かないけどどうでしょう、自分なりのそんな「いつもとは違った視点」の文章をお手本に書いてみるというのは。 ふみぐらさんのマガジン「熊にバター(行き場のない掌編集)」から私が選んだお話はこちらです。 ↑タイトルから好き。 * 『おでん屋のきょうのおすすめ』 「厚介さん、今日はまた一段とやる気がないで

ライオンが運ぶもの

ふみぐら社さんがメシも食えてない。 あ、食えているのか。 ヤギ先輩のnote、その感想等を寄せる企画。 僕が選んだnoteはこれ。 * 雨の夜のバス停。 濡れ鼠になったライオンが来た。小包を持っている。 ライオンだから濡れライオンか。聞いてみる。 「バスに乗るのですか」 「ええ、ヤギの処に行こうと。別のヤギから小包を預かりまして」 バスが来た。ライオンは器用に料金箱に小銭を入れる。 二人で座る。その大きな体で座れるかなと思ったけど上手に体を丸めた。 ライオンはもじも