「ソーヴィニオンブランの味が変わる?貝類から探る味わいの秘密」
ソーヴィニオンブランは、多くのワイン愛好家に愛される品種のひとつ。その理由の一つに、柑橘系やトロピカルフルーツのような豊かな香りと味わいがあります。しかし、そんなソーヴィニオンブランも、料理との組み合わせによって味わいが変化するのをご存じでしょうか?今回は、特に「コハク酸」に注目して、貝類を使った料理とソーヴィニオンブランのマリアージュを検証しました。その結果、驚くべき発見がありましたので、ぜひご覧ください!
コハク酸とは?ワインと料理の味わいに与える影響
コハク酸は、うま味成分の一つとして知られています。特に貝類に多く含まれ、料理の味を深める役割を果たします。貝類に含まれるコハク酸が、ワインの味わいにどのような影響を与えるのかを探ることが、今回のテーマです。
【先日やった私の検証実験】
ソーヴィニオンブランにコハク酸を添加すると、トロピカルフルーツの風味が抑えられ、代わりに柑橘系、特にグレープフルーツの風味が際立つという興味深い結果が得られました。
ただし、ワインに直接コハク酸を加えるのはタブー。
【今回の検証実験】
コハク酸が多く含まれている貝類を使った料理で同様の味わいの変化が起きるのかを検証しました。
貝類に含まれるコハク酸の量
貝類といえば、あさり、しじみ、牡蠣、ホタテが思い浮かびます。それぞれに含まれるコハク酸の量を調べている研究報告を検索して、その結果をまとめました。
しじみ:128〜412 mg/100g
あさり:80〜330 mg/100g
牡蠣:0〜171 mg/100g
ホタテ:14〜370 mg/100g
これらの値は、季節や水温、産地、さらには採取後の保存方法や調理法によって大きく変動します。特に牡蠣は、蒸すとコハク酸がゼロになることもあるため、調理法には注意が必要です。
貝類を使った料理とソーヴィニオンブランのマリアージュを検証
実際にスーパーでしじみとあさりを購入し、以下の料理を作りました。
しじみとエリンギの酒蒸し
あさりの酒蒸し
エリンギを添えたのは特に意味はありませんが、後述するように思わぬ発見がありました。
しじみとソーヴィニオンブランの組み合わせ
まず、しじみを食べてからソーヴィニオンブランを飲むと、以下のような変化が見られました。
トロピカルフルーツの風味:抑えられる
柑橘系(グレープフルーツ)の風味:増加
苦味:少し感じる
酸味・アフター:変化なし
次に、しじみの旨味をたっぷり吸ったエリンギを食べてからワインを飲むと、さらに興味深い結果に。
苦味:消える
グレープフルーツの風味:さらに増加
アフター:伸びる
特にエリンギとの組み合わせは、驚くほど美味しく、ワインの持つポテンシャルを引き出す結果となりました。
あさりとソーヴィニオンブランの組み合わせ
続いて、あさりを食べてからワインを飲むと、以下のような変化がありました。
苦味:増加
トロピカルフルーツの風味:かなり抑えられるが、少しパイナップルが残る
柑橘系(グレープフルーツ)の風味:少し増加
酸味:やや抑えられる
アフター:少し短くなる
さらに、あさりから出たスープだけを飲んでからワインを飲むと、以下の変化が観察されました。
苦味:かなり減少
トロピカルフルーツの風味:ほとんど感じなくなる
柑橘系(グレープフルーツ)の風味:かなり増加
酸味・アフター:変化なし
この結果から、貝類から出た出汁に含まれるコハク酸が、ワインの味わいに大きな影響を与えることがわかります。
貝類料理とソーヴィニオンブランを楽しむコツ
貝類を使った料理とソーヴィニオンブランを楽しむ際には、以下のポイントに注意すると良いのかと思いました。
貝類から取った出汁を活用する
出汁にはコハク酸がたっぷり含まれており、この出汁をうまく活用するのがおススメです。調理法に注意
蒸し牡蠣のように、調理法によってはコハク酸が失われる場合があります。できるだけコハク酸を保持する調理法を選ぶのが良いと思います。ワインの味変を楽しむ
ソーヴィニオンブランのピュアな味わいを堪能した後、貝類料理と合わせたときに感じる、驚きとともに押し寄せる新たな味覚の冒険をぜひお試しください。
まとめ
ソーヴィニオンブランのトロピカルフルーツの風味を抑え、柑橘系の風味を際立たせるには、貝類を使った料理が効果的であることがわかりました。特に、貝類から取った出汁を活用することで、ワインの味わいが劇的に変化しました。料理とワインのマリアージュを通じて、新たな発見を楽しんでみてはいかがでしょうか?
引き続き、ワインの成分と料理の組みあわせを検証していきます!
応援、よろしくお願いします(^_-)-☆