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いま、扉のまえにいます。

わたしのなかには扉があって。

その扉はものすごく重いお城の門とか、
ダムみたいな感じで、
この扉絵を開けるとここからものすごい勢いで
中のものがあふれ出してしまい、
すぐには閉じられなくなります。

当たり前のような生活が送れなくなる不安があるのです。

自分が守り育てる側になった時、
この「絵を描くときのこころの状態」はとても危ういものでした。

それでもたまに開いてしまうことがあって
そうすると、扉を閉じたくなくなっちゃうんですよね。
扉のあちら側と、こちら側の時間の流れ方が違うから、
どうしていいかわからなくなる。

こちら側に戻れない自分が怖いんです。
こちら側にも大切なものがたくさんあるから。

なので、
絵や、色のビジョン
言葉が溢れそうになっているのに、
扉の前にものを置いたり、
重たいかんぬきをかけて閉じてきました。

それもそろそろ限界な感じです。
中のものがいまにも飛び出してきそうなのです。

わたしはこの扉の前に立って
ずっとどうやって開くのが良いか悩んでいます。

この扉とうまく付き合っていきたい。
この扉をうまく開けて、
うまく閉じてこちらに戻る。

何度もイメージする。
うまく扉を開けたり閉めたりする。
工夫をする。
考える。

初めは失敗すると思うけど、
失敗するのは当たり前なので、
すこしずつ、すこしずつ。
開いてみないと、なにも始まらないから。

20230210
友國唯


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