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「ありがとう」の言葉をあなたへ
11月がはじまりました。
もうあと2ヶ月もしないうちに今年が終わってしまうことを考えると、焦りや寂しさに苛まれながらも、クリスマスのシャンシャンと音が流れる街を、子どもみたいに楽しみにしているわたしがいます。
最近はというと、販売していた詩集をせっせと袋に詰めたり、詩やメッセージカードを書いたり、買ってくださった方の宛名を書いたり、忙しないながらも充実した日々を過ごしていました。みなさまのおかげです。
これまでは実際にお会いしてお話をして、直接お渡ししていたので、無事に届くだろうかとか、お金をいただくだけのものになれているだろうかとか、いろんな不安を抱えていました。今できるわたしのとっておきを作っていますが、やってみて分かる不安がたくさんありました。
そうして、詩集たちがそれぞれのお家に届いた頃、届いたことをツイートしてくださったり、やわらかな言葉でご感想を伝えてくださったり、とっておきのカップとソーサーを用意して大切な時間に読んでくださったり。
そのやさしさが本当に、本当にうれしいです。わたしの書いた言葉を光と言っていただけること、その方の目に写ったわたしのことを書いてくださること、それぞれがそれぞれの光を照らし返してくれること、わたしはそれらすべてを希望に思いました。
今あることは、よかった過去もつらかった過去も、かなしい今もしあわせな今も、みんなぎゅっと集めて、それでもなんとかやわらかな光にならないかとうーんうーんと言いながらできあがったものたちなので、その光はまさにわたしの希望です。
失敗した過去を、間違っていると言われた過去を、それでよかったんだよと、今ここにいることがその答えだよと、そう今は胸を張って言えます。
ここで、あらためて感謝を伝えさせてください。ありがとう、あなたのくれた言葉はわたしにとってこの行き先を照らしてくれる光です。
星が明滅するようにきらきらと輝くそれを、わたしはふわりとこの胸に抱きしめ、またあたらしい光を紡ぎます。誰かの足元をすこしだけ照らすことのできる、やわらかな光にしていきます。
だからどうか、ごはんを食べて体をあたためながら、少しずつ休みながらでいいから、明日へ進んでください。その先できっと会いましょう。これは、わたしのわがままな祈りです。ただそう願ってやみません。
画面を通してたくさんの日々を目にする時、その生きづらさや悲しみや心にできた傷のことを思います。
その度、遠く離れた街にいる、顔も名前も知らないあなたに、あなたの生きる日々に、優しさがあることを願います。美しいあなたを、たくさん考えてたくさん悩んで、ひとつの選択をしたあなたを、やわらかな光が包み込みますようにと。
例えば、詩を読んでいるとき、エッセイを読んでいるとき、その瞬間だけはそんな優しい気持ちを手渡せたら嬉しいです。少なくとも今だけは独りではないから、そっと手を繋ぎましょう。
あなたの幸せをずっと願っています。
今日はそんな、「ありがとう」を伝えるためのエッセイでした。読んでくださってありがとうございます。
では、またここで。