【勉強記録】東北大学 人間脳科学入門の学び week3
こんにちは。長尾早苗です。
愛犬がいなくなってから、時間がびゅんびゅん過ぎました。
悲しいしさみしいし自分は低血糖症状が出ているし……
それでも悲しんでいる時間も泣いている時間もなく、自分で回復することばかり考えていました。
ひとの心はどうやって発生するのかを知る人間脳科学は、自分のことを知ることのように思います。
今回の学びでは、他者とは違う「自己」という認識を知ることができました。
今回もイラレで図解していきます。それではいってみましょう。
3-1自己認知
鏡に映した自分の姿を「これは自分だ!」と認知することを「鏡像自己認知」といいます。
人間には当たり前ですが、動物で可能なのはごくわずかです。
発達心理学では人間も鏡像自己認知ができるようになるのは1~2歳頃で、他者を他者として認知するのより遅いとされています。
東北大学の実験によると、自己認知は人間らしい脳のプロセスであり、抽象的概念処理で使った脳の部位すべてにかかわりがあるそうです。それは特に右半球で行われます。
3-2身体的自己意識
みなさんは正座をし続けて足がしびれていたことはありましたか?
自分の足が自分のものでないような感覚に……なりますよね。
自分の身体が自分のものであるとわかることを、身体自己所有感といいます。これは、刺激を受けた体の感覚の情報と、目に入ってきた情報の一致によっておこるとされています。
確かに正座をしている時、自分の足を見ていない。
3-3身体的自己と順モデル予測
脳の意識下で、自分の手が今これをやっている、自分の足がこれをやっているというものを身体的自己といいます。
順モデル予測というのは、例えば車がバックするときに「だいたいこのくらいバックすればいいかな」というおおまかな予測を立て、その差異を埋めていくという視覚情報と感覚情報の予測です。
3-4他者の目に映る自己
よく、作家はエゴサーチをします。
なぜかというと、仕事だからというのもあるんですが……
基本的に自著がどのくらい読まれているのか、自分がどれだけ公的に関心を持たれているのかを知るためでもあります。
わたしも学生時代、自意識過剰ということばに傷ついてきました。
しかし、作品を多く作って詩歴も長くなってくると、様々な作家とかかわるようになり、自分よりも他の作家の方が自分の生活を壊してまでエゴサーチをし続けてしまう現象も見てきました。
どうしてエゴサーチをすると疲れてしまうのかというと、
自分に向けられている公の関心を視覚的にも名前的にも探し出し、他者の関心や反応を見ることにより、脳基盤が活性化するんです。その脳基盤が心を生み出すネットワークにつながっているので、脳基盤が活性化しすぎて脳が疲れてしまう「謎の疲れ」が生み出されることになります。
3-5自己の社会的価値・役割
自分が頭が良いか、自分は誠実かを考える課題を、性格特性自己評価課題といいます。
今回は「ことば」について、自己とどれだけ関連があるかについて学びました。以前「記憶」について学習したときにメモしましたが、脳刺激を受けた部分と同じ脳の部位が活発になります。
図であらわした3つの部位は、自伝的記憶の社会価値・役割について考える「報酬系」と呼ばれる部位です。
自分は仕事において、家庭において責任があるかどうかなどはこの部位が活発になります。
自分に渡される報酬と、自己に見合った価値はこの部位が活動しています。
3-6自己3層モデル
自己という概念の核心は何か?
と言われると哲学的な課題になるんですが、ここでも脳科学との深いかかわりがあります。
身体・対人関係・社会的観点の3つでわたしたちの自己・他者・社会とのかかわり方が決まってきます。
ここに、図で示した部位が活発になるという実験結果が出ました。
先に挙げた順モデル予測がこの3つには言えます。
そして、わたしたちが「何もしていない」と感じるときに活発になるという研究結果も出ています。
3-7順モデル予測と自己主体感
当たり前ですが知覚には個人差があります。
知覚バイアスの強さによって、記憶・感情・認知制御にかかわる部分が異なってきます。
なにかを実行してエラーが出る反応があることはもちろんそうで、それは心の理論と感情をつかさどる部位(上の図)がかかわってきます。
さらに記憶をつかさどる部位が活発になるのですから、脳の構造は不思議ですね。
3-8相互パートナー選択
わたしたちの人生は「選択」というものがすべてのように思います。
それは非常に戦略的な選択です。
誰と結婚するか、誰と恋愛をするか、どの大学(高校)に入学するか、今日の晩御飯は何にしよう……
それぞれの選択において、自分だけではない他者とのかかわりがあるんですね。自分がいくら相手のことを好きでも、相手が自分のことを好きになってくれるかはわからない。恋愛の面白さでもあるんですが……
そこには自己の市場価値という非常に戦略的な課題が含まれています。
年収・価値観・社会的地位。
しかし、価値観の変容によってはそのすべてが覆されるとも思います。
現在の価値基準だけで自己というものは変わらない、とも思います。
3-9自己顔に対する感情反応
プリ機って進化してますよね。
目を大きくしたりえくぼを作ったり、割と使ったことのある方も多いと思います。
適度に自分の顔が美しくなっていればそこまで不快に思わないんですけど、奇妙なくらいきれいになっていると「ひとの顔」として分析して行動するより、「不気味」と感じることの方がおおいと思います。
この感情をつかさどっているのは赤い丸印の部分です。
自分の顔は社会的・相対的な評価に基づくものなので、反応パターンとしては上の三つの領域と、もう一つVSと呼ばれる即時的な行動を実行する部位が活発になっていることがわかります。
*まとめ
認知に関する問題は、例えば心の病気と呼ばれる現象で現れたりします。
しかし、それについて深く学習していくと、どこでそのような認知プロセスになっていくのかが見えてきます。
脳科学は「心」の本質を見極める学問だと思います。
社会的・対人的に、自分がどのような判断を自分の脳でしているのかが少しわかりました。