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【ちょっと長め読書記録・日記】めんどくさがり屋、ちょっとずれてる?

こんにちは。長尾早苗です。

先週末の星々文芸博にご来場くださったみなさま、ありがとうございました!

たいへんドラマのあるイベントでしたので、そののち一日寝込みました…

今週のめんどくさがり屋日記です!


*今週の読書

エキノコックスほかじぇいけぇ組『うい!‐10代だけの創作集-』

10代って若くて、すべらかで、でもとても苦しくて仕方なかった。わたしもそうだよ。リアルとフィクションの狭間で、どう生きたらいいのかもがき続けて詩を書いた。今の詩壇への問題提起、しかと受け止めました。

竹内亮『花冷えとマフラー』

歌人で弁護士の竹内さん。長いこと連句の場でご一緒してきました。
どうやら猫が好きらしいことと、不思議な言葉遣いによる「女子・男子」についてなど、わかることは竹内さんに会っていてわかるのだけど、歌人の日常ってどんな感じなんだろうと思って読んだらすごく面白かった。
友人の日常を知ることがどうやらわたしは好きなようです。

佐藤のび『サウナ短歌とエッセイ 蒸される我ら』

実際にお風呂上りに読んでみるとなんと心地よい。
サウナに関する文学作品にこのところ惹かれるものがあります。のび。さんとはお話ししてみたかったしお話しできてよかった。
知人がサウナの詩を書いているので、サウナ短歌は新鮮でした。

オロポ、いいですよねえ。

へいた『おもしろすぎないおとぎ話』

早起き同盟へいたさん。もともとへいたさんのnoteのファンで今回作品集を買ってみました。水曜日の夜に一杯だけ飲むコーヒー。なんて素敵な贅沢なんだろう。そんな水曜日の夜のコーヒーのような作品が10杯入っています。

特に「二番目の人魚姫」が好きでした!

乙女座文庫『死と再生』

神はいるのだろうか?死にゆくもの、生まれいずるもの、これから生きていくことについて。

インクを作って売ったり詩集を書いて売ったり楽しい乙女座文庫Spica!さん。彼女たちの活動に、これからも注目していきたいです。【神の住処】がよかったです。

和喜『ボーイズラブ用語用例辞典』

用語用例辞典なのに一つの物語になっている!

とても気になるこの辞典、春と利人のボーイズラブの例文が面白くて面白くて一気に読んでしまいました。

いくつものボーイズラブを読んでこないとこの辞典は作れないのではないかと思います。面白すぎをぜひ。

方舟書房『鳩の舟唄vol.1 特集スター・システム』

矛凪盾己という完璧な鬼才の人物を軸に、小説甲子園の北海道ブロックから沖縄ブロックまでの代表たちが紡ぐ連作小説集です。

20代になる前に。わたしもそうだった、10代のうちはさんざん暴れたかった。

そらのくじらさんとは
小さな時からご一緒してきたけど
大人になりました……

冬乃くじほか『IMAGINARC 想像力の音楽』

音楽と数学と詩は似ているから、世界を疑え。 テーマ別の小説アンソロジーですが、いくつもの音や声、世界の成り立ちからこの世の未来までを想像力だけでかたちにされています。 何もかもを忘れて、夢中になれるものがあるとしたら。

実力派の書き手たちです。
この冊子自体が、
とても面白い構造になっています。

【テレビシリーズ】光る君へ 第27回 宿縁の命

三郎のころから、道長さまは怒るのがお嫌いでしたね。
キレない雅な道長と、妻になったまひろ。なんだかなあ。こんなに平安時代は難しいものだったのかと改めて思います。
過去の恋人と会ったときほど、自分がどうしていいのかわからなくなるのはあるあるなんですが、まひろと道長の場合はすごく複雑。
わたしだったら、にっこり笑って別れると思う。
彼も彼の人生を歩んでいて充足しているし、奥様ともわたしは仲がいいし。
わたしも彼が知らないひとを夫にして、わたしたちは充足しているし。
なんていうかねえ、恋は道ならぬものなのよ、と与太りたくなります。

【Podcast】文学ラジオ空飛び猫たち 第161回傷ついた者たちへの鎮魂曲『少年が来る』ハン・ガン著

なんだか韓国文学が今わたしの中ではあついらしいです。
わたしもクオンという版元さんやハン・ガンさんを応援しているので、今回ハン・ガンさんの作品を全作読む企画はうれしいです。
『少年が来る』は光州事件がもとになっているのですね。詩人が書く小説としてもハン・ガンさんは非常に尊敬していますし、自分たちがどう時代に残る事件に向き合うのか考えるときに必要なのは詩のことばだと思っています。

【テレビシリーズ】虎に翼 第16週「女やもめに花が咲く?」

わかりやすく義理人情と恩着せがましさは紙一重ですね……
ナレーションの「そのがんばり方、大丈夫か?」はほんとにそうだと思います。家庭と仕事を完璧に両立できるわけないじゃん。
自分の夫がなくなって、娘に父親のことを語ることほど難しいこと。
そしてそれはとらちゃんにしかできないことだとも思います。
がんばり方、間違えちゃだめだよ。

【Podcast】真夜中の読書会~おしゃべりな図書室~「求められるものと自分がやりたいこととのギャップの歩み寄らせ方【大ヒット韓国ドラマ脚本家の仕事術】」

エンタメ業界の就活って大変そうだったもんなあ。
大学時代の友人がエンタメ業界で働いているので、そうか友人はこんなに大変な思いをしてきたのか、と世界を垣間見れた気がしました。
バタやんさんも人事部で働いていらっしゃるので、きちんと就活生を見ていらっしゃる。
20%の話はほんとにそうだなと思いました。
今お仕事が続いているクリエイター同士は、ほんとに少ししか似ていたり同じところはないけど、20%は本質的に共にしていると思います。

【テレビシリーズ】新宿野戦病院 #3

自分の身ぃ守れるのは自分じゃあ
ほんとだよヨウコ……
わたしが生きている環境は恵まれていて、それに気がついていないだけ。
もっと自分を大事に生きなよ……

おまえ死んだらもんげー悲しい。

新宿野戦病院#2より

*ちょっとずれてる?

時間感覚がひととちがうなあと思うことがあります。

わたしにとって「先日」はおとといから去年にかけてで、「最近」は2年前。
のんびり年単位で考えているせいで、自分の寿命はきっと長いんだろうなあとぼんやり思います。

自分の詩集を七月堂さんから2回出したけど、それも「最近」。

高校生のころ、今はなき地理学・世界史の先生が「ちょっとずれてる」ひとでした。

自己紹介から変わっていて、自分の名前を崩し文字で書き、絵のように見立てる。
わたしたち生徒はなんとか苗字の「山」と、名前の「公」はわかるのだけど、他の漢字がどうがんばっても読めずにいて「今日はここまで」とオリエンテーションが終わってしまい、あっけにとられて先生の穏やかな雰囲気から怒られなさそうなことを察知して「山公」と呼んでいました。

「山公」と呼び捨てにするのも悪いような気がしたので「山公先生」と一応先生と呼んでいましたが、山公先生にとっての「ちょっと前」は紀元前なので、世界史の授業の時大変困った思いがあります。

時間感覚のずれはひとによって違うのだけど、せっかちになった20代を経て、30代になって年単位で考えるようになりました。

フリーランスで詩を書いていると、なんとなく「ずれてる」感覚が同じ人たちで固まるので、いい人に囲まれています。みんななんだかのんびりしている。

まだまだ先は長いであろう人生の中で、最初に読み通したのがミヒャエル・エンデで、時間感覚のずれがあってもいいのだと多感な時期に『モモ』を読みました。非常に影響を受けて「ジジ」という名前で活動していた時期もありました。懐かしいなあ。

のんびりとしたやさしい時間の中で、過ごしていきたいものです。

*近況のようなもの

愛犬の葬儀から2週間が経ちました。
この2週間の中で、友人がいきなり増えたり、母の立ち直りが意外に早かったり、いろいろありました。

わたしはまだ納得できなかったところもあったけど、老衰は仕方がないことなのだと言い聞かせています。木曜日一晩だけ、ペットロスになりました。

むかし12歳の時、全身麻酔から覚めたあとに見た夢を、繰り返し見ます。
それは禍々しくて恐ろしくて、到底説明がつかない夢なのだけど、
なぜか愛犬がなくなった19時ごろ、横になっていると見ます。

人生というものは長い長い旅なのだ
と思うと、ちょっと気持ちが晴れるような気がしていました。
責任が軽く、わたしたちは旅の途上で仕事をしたり、恋をしあったりしているに過ぎない。

一昨年の関西旅行を思い出したりしています。楽しかった。

星々文芸博、楽しかったです!

詳細は日曜日更新のLa Vagueのnoteにて公開しました!
以下記事を読んでいただければさいわいです!(2024/7/23加筆)


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長尾早苗
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