【アニメ感想】『好きな子がめがねを忘れた』 ★★☆☆☆ 2.7点

 中学生の小村楓は隣の席のクラスメイト三重あいに片思いをしていた。ある日、三重さんがメガネをかけてくるのを忘れてきたことから、小村くんは彼女が極度の近視であることを知る。それ以来、近視ゆえに三重さんが引き起こす様々なトラブルに、小村くんは一喜一憂することとなる。



 ギャグ漫画レベルで目の悪い三重さんと、彼女の一挙手一投足にドギマギする中学生男子の小村くんの可愛らしさを愛でて楽しむタイプの作品。基本的に心情描写がなされるのは小村くんだけであり、小村くんが一方的に三重さんに片思いしているという状況と、三重さんがど天然で鈍いことから、作中で起こる事件はほとんど小村くんの心中の一人相撲となっている。小村くんにいやらしさや増長したところがなく、三重さんも素直で性格が良いため、作風が全体的に穏やかで優しく、落ち着いて観られる作品となっている。



 1話30分1クールの作品ながら、1話1話が非常に短い話を複数集めたものとなっているため、実際にはショートアニメの詰め合わせというう方が実態に近い。そのため、縦軸の物語は薄めで、進行もかなりゆっくりとなっている。また、前述の通り、本作は三重さん側の心情があまり描かれず、かつ、コメディタッチの作品であるため、小村くんと三重さんの関係性の深まりは薄めとなっている。

 ただ、小村くんの過剰に卑屈な性格であるとか、三重さんんの中に芽生える小村くんを慕う気持ちであるとか、2人の関係性の変化の兆しとなりうる種は作中で少しずつ蒔かれている。そのため、端的に言えば、ここから面白くなりそうだなぁというところで終わっており、可能であればこの2人のこれからを描いてもらいたいところである。

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