【アニメ感想】『カワイスギクライシス』 ★★☆☆☆ 2.3点

 地球より遥かに発展した科学文明を持つ宇宙人が、地球に惑星調査に来た折、地球の生物のあまりの可愛さに翻弄される姿を描くコメディ作品。

 「地球の生物が宇宙の中でも飛び抜けて可愛かったら?」というアイディア一発の作品なので、1話は確かに面白いが、この面白さをこの後も持続できるのかというところに大きな疑問があったものの、蓋を開けてみると、スポットを当てる動物を徐々に拡大させていくことで飽きが来ない作品に仕上げている。

 本作は主人公の宇宙人リザが実際に猫を飼育することで地球の動物を学んでいくというのが物語の主軸となっており、リザの友人となる矢薙華澄も猫カフェの店員であるため、かなり猫への比重が大きい作品である。しかし、設定としては「地球上の全ての動物が宇宙の動物と比較して圧倒的に可愛い」ということになっているため、定期的に新しい動物にフォーカスを当てては、その動物の良いところ探しをリザにさせて、そのリアクションを楽しむというフォーマットでいくらでもストーリーを作っていくことができる。

 また、本作は「ペットとしての動物」という側面がかなり大きい作品であるため、新しい動物の登場にはその飼い主である新しい登場人物の登場もセットになっている。基本的に本作における飼い主は皆、自身のペットを溺愛している人物として登場するため、その偏愛ぶりを見せつけることでそれぞれがそのキャラクター性を立たせており、その愛をリザの猫愛とぶつけることでやコメディ展開が転がっていくというギャグアニメのスタンダードにも則っていて、このあたりの作品構造の建付けも良く出来ている。


 アニメーション作品として見ると、作画は比較的ローカロリーなものとなっており、大きな不満はないものの、競合する他のアニメと比較すると少し物足りなくも感じる。また、ギャグアニメとして見ると、やり取りの間がもう一歩で、作品としてのポテンシャルが今一歩発揮されていないのも歯がゆさを感じるところだ。

 ただ、一方でその作風からして、激しい動きや媚び媚びのキャラクターデザインが求められる作品でもなく、肩の力を抜いて見るアニメであることを考えると、これくらいのローカロリーな雰囲気が逆に作品を見やすくしている面もあろうと思われるので、そこは良し悪しといったところか。


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