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白鳥ねここの人生劇場11話〜2つ目の秘密が出来た日〜

人生劇場5年目の秋

ギンギラギンにさりげなく
生きていた瑠璃色白鳥。

舞台セットは"小出医院"
肌色でレントゲンを撮り
ホネホネロックが流れ、
左腕のデカ注射を眺め〆は吸入
舞台上に白いスモークが漂い
演歌歌手でもくるの?

までが10話でしたね。

#なんのはなしですか
(↓こんな話でしたね。)


1983年(昭和58年)冬

瑠璃色白鳥はタイツを履き、
母さんが編んではいないが
親指だけ独立していて
4本の指はまとめて靴下みたいに
すっぽりとかぶる手袋をし、
週1度程、自転車に乗れない
母と歩き"小出さん"に寄り、
デカ注射と煙の薬を吸ってから
計1km弱の道のりを歩き
保育園に登園する、
という日常となっていた。

相変わらずバリバリパリバリYOKOで
ギンギラギンにさりげなく
アトピー無限ループも継続中だ。

↓1分でわかる復習YOKO


この頃の父は、
相変わらず家かパチンコ屋にいて
"ダンカンバカヤロゥ"という
ビートたけしではないが、
『バカヤロゥ』が口癖のように
なっていた。

普段は笑いながら
冗談ぽいトーンだが、
時々なにかに苛ついているような
トーンの『バカヤロゥ』になる。
そんな時は一瞬で
"仏壇前正座鬼騒動"(4話)
のときの父が脳内再生され、
きゅっと全身に
力が入る瑠璃色白鳥であった。

この父が言ってます
この頃より髪は長くオールバックで
口髭生やしてましたね。
抱かれているのはFUJIWARAの
原西さんではないです。


そんな日の夜には、4畳の細長い
部屋でひとり布団に入ったとき、
誰にも言えない秘密の
小宇宙(コスモ)遊びに耽る。

そうしてモヤモヤを飛ばし、
相棒の犬のぬいぐるみと
くたくたの粗品タオルとともに
スヤスヤと眠る。のだが。

時々眠れず、"ナンデドシテ星人"が
ひょっこり顔を出してくる。

保育園や幼稚園、
"バイバイのおねえちゃん"たちも
みんないっしょの服を着て、
粘土遊びも歌も何をするにも
みんないっしょにする。
誰が何のために決めたの?

"ひらがな"や"カタカナ"や"漢字"
は、いったい誰が最初に
決めたんだろう?

腕に刺さった注射の針から出た
薬や煙の薬は、どこいくの?

キラキラ輝く星の向こうは
いったいどうなっとるの?

お母さんはいつもお父さんとは
キャッキャと楽しそうに話して
笑ってるのに、なんで幼女白鳥と
2人で遊んでくれんの?
お父さんもおばあも
遊んでくれるのに。

TVの中の"アーノルド坊や"は
瑠璃色白鳥より色が黒いなあ。
"えいご"ってどんな言葉かな。
アーノルドたちは
いったいどこにおるのかな。

アーノルド坊やは人気者
貧民街出身の主人公の黒人少年アーノルド・ジャクソンは、母の死をきっかけに兄のウィリスと共に、母が家政婦として務めていた白人の資産家ドラモンドの養子となり、ドラモンドの娘キンバリーと共に暮らすことになる。このコメディは、ドラモンド家の中で起こるさまざまなエピソードを軸として、シリアスな人間模様をコメディー形式で描いている。コメディでありながら、麻薬や人種差別問題などシリアスなテーマを取り上げており、8シーズンで189話にわたる人気シリーズとなった。

Wikipediaより抜粋


次々と頭の中に
色んな謎が浮かんでくる…



ピキンッ   ピシッ


夏頃から、ときどきこうして
部屋のどこからか音がしていた。

(…?  誰かおるの?)

金属ぽい音がするので、
青紺緑3色の太いストライプ柄の
カーテンとレースのカーテン越し
にある、銀色の窓サッシの方に
寄ってみたりもしたのだが、
毎回何も見えない。
寄ったときには音が鳴らない。

"怖い"とは思わないけれど、
ナンデドシテ星人の謎の1つだった。

ピキンッ

4畳の細長い茶色い天井には
細長い蛍光灯がぶら下がっていて
寝るときは橙色の小さな
豆電球が灯っている。

気になりながらも
橙の1点を見つめていたら、
ウトウトしてきた…



……


ふわり。


突然自分がものすごく
軽くなった。

橙色に灯る光が
近づいてくる。


え。   …えぇ⁈


驚いた幼女白鳥は下を見ようと
視点をくるりと回転させる。


あ、ちゃんと動ける。



おる。 寝とる自分がおる!!

ナンデ⁈⁈ドシテ⁈⁈


これまでで、最大級の
ナンデドシテだ。

布団に寝ている幼女白鳥。
それを見ている幼女白鳥。

ナンダコレハ。

視界は薄く白いオーガンジーの
布越しのような感じで
少しだけぼやっとしている。


幼女白鳥は困惑しつつも、
ものすごく軽い自分の感覚が
なんだか気持ちよく
おもしろくもなってきた。

寝ている自分の姿以外
相変わらず誰も見えないが、
何かに呼ばれているような
そんな感じがした。
それは窓の外からであった。

全体に小さな葉柄が入っている
見慣れたガラス窓に、
ゆっくり近づいてみる。

目の前まで迫るガラス窓。
普通ならぶつかるはずのその窓を
幼女白鳥はするりと通り抜けた。



え… えーー!! なんで!?
…      飛んどる!!!


外。間違いなく外だ。
でも寒くない。

ナンデドシテ!?

幼女白鳥の家は二階建ての長屋。
2軒で1棟、それが3棟と
お隣は単独平屋が1軒。
7軒が同住所であった。

"もうちょっと上から見たいな"
と思ったら、ふわりと上がり
長屋群全体を見下ろしていた。

実家の屋根上を通り
南側にある道路上あたりまできて
ゆっくり回転すると
近所の景色一帶が見える。

(すごい…鳥さんはこんな感じで
空を飛んでるのかなあ)

そんなことを考えながら
ふと下を見た。

車1台ちょっとの幅の道路が
真下にある。



落ちたらこわいっ


そう思ったところから
記憶がない。ブラックアウト。


気づいたら翌朝だった。


ナンダッタンダアレハ。

あまりにもリアル。
だけど空を飛んでいる人は
誰もいないという現実。

"誰にも話せない"

と思った。



人生劇場5年目冬

幼女白鳥は、ぼんやりとした橙色
のスポットライトに照らされた
4畳の舞台に敷かれた布団の中で
姿の見えない誰かの気配を感じ、
自分の寝姿を上から見下ろし
舞台の窓を突き抜け
鳥のようにふわりと高く舞い、
小宇宙(コスモ)遊びに加え
2つ目の秘密ができたのであった。



\はやしせんせー!/


 \じめんについちゃう!/


あつい……  ふわり。

ヒューーン 🏎️💨💨  🏎️💨💨



それでは今日はこの辺で

ごきげんよ〜

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