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宮沢賢治と生乾き
涼しくなってきました。
空気も乾燥してきて秋の気配ですね。
小学校6年生は、そろそろ宮沢賢治の名作「やまなし」の単元が終わるころでしょうか。
名作ではあるけれど難解で、教える先生も学ぶ子どもたちも頭を悩ませていることでしょう。
まあ、文学なんて何も考えずにどっぷり浸かればそれでええです。
さて、この「やまなし」は例に漏れずオノマトペが多用されています。
つぶつぶ、ゆらゆら、くちゃくちゃ、ぎらぎら、きらきら、サラサラ・・・
といった日常的にも使うのもあれば、
トブン、ぼかぼか、もかもか・・・
のように なんだそりゃ!というものまで。
子どもたちの間では、〈クラムボン〉登場シーンに出てくる「かぷかぷ」がいちばんの話題にのぼります。
「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ」
かぷかぷ・・・ぷかぷか・・・浮かんでる・・・泡のイメージでしょうか。
そうすると〈クラムボン〉って・・・なんて考えるクラスもあることでしょう。
言語学の本を読んでいて知ったことがあります。
幼児期ではよく言葉の入れ替えが起きます。
有名なのはメイちゃんの「とうもころし!」でしょうか。
「エベレーター」もよく耳にします。
でも、これ単純に文字が入れ替わっただけではないようです。
toumorokoshi の「ろ」と「こ」の子音「r」と「k」が入れ替え。
erebe-ta- の「れ」と「べ」の子音「r」と「b」が入れ替え。
なんですって。
terebi の「れ」と「び」の子音「r」と「b」を入れ替えて「テベリ」。
ああ、これもよく聞きますね。
親は子がかわいいもんで直さないやつです。
で、「かぷかぷ」。
kapukapuの「か」と「ぷ」の子音「k」と「p」を入れ替えると・・・
pakupaku
!!!!!
「かぷかぷ」に「ぱくぱく」のイメージが加わります。
そうすると〈クラムボン〉は泡なんかじゃなく生物かもしれない。
ひょっとしたらな〈なにか〉を象徴している比喩表現なのかも・・・
なんて想像も膨らんだりしますね。
幼児期、あなどるべからず。
この方法を使うと宮沢賢治のようにオノマトペをたくさん作れそうです。
もう幼児期をすぎ、少年期に入っているわが家の7歳児。
天気と湿度のせいでなかなか乾かず、異臭を放っている洗濯物をかいで叫ぶわけです。
ながまわき臭!
えっと、これは単純に文字が入れ替わったんじゃなくて、
namagawaki の「ま」と「が」の子音「m」と「g」が・・・
なんてことを考えながら、2回目の洗濯を回すのでした。
空気も乾燥してきて秋の気配、洗濯物がよく乾きます。
生乾き、断固反対。
音瑚ひらり