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どこかで見た店

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噂の店を取りそろえました。素敵なお店も、危ないお店もありますので、お買い物の際は充分ご注意を……。
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記事一覧

〔ショートショート〕遠距離恋愛販売中

またLINEだ。付き合って3か月、俺は清美にウンザリしていた。束縛と嫉妬が激しすぎる。 「遠…

ネコハル
11日前
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〔ショートショート〕常春の地

もう嫌だ。 会社の業績悪化で僕は切られ、次の派遣先も見付からない。全財産は財布の二万円。 …

ネコハル
7か月前
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〔ショートショート〕真夜中の万華鏡

真夜中にこの万華鏡を覗いてはいけないと、先生は言っていた。物静かで、細い指が綺麗だった美…

ネコハル
6か月前
40

〔ショートショート〕桜回線

同い年のユウジと付き合ってもう二年。私も今年で30才、そろそろ奥の手を使うか。スマホから電…

ネコハル
8か月前
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〔詩〕銀河売り

銀河売りの手から零れ落ちた あの青い星はシリウス 無数の夢を託され 重さに歪み震えている …

ネコハル
1年前
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〔詩〕さいはてマーケット

ようこそ最果てマーケットへ あなたが欲しいものは何? 右の奥は銀河売り 飴玉のように星を売…

ネコハル
1年前
30

〔ショートショート〕残像屋

細い路地を抜けると、その喫茶店はあった。ドアを押して入ると、スーツ姿のマスターが一人。噂通りだ。 「いらっしゃいませ」 「あの、全財産がこれだけで……」 俺がおずおずと鞄を差し出すと、彼は微笑んだ。 「金額は問題ではありません。全財産ならそれで」 「じゃあ…琥珀珈琲を」 彼が出してくれた珈琲に口をつけた途端、懐かしい香りと若い俺たちの姿が鮮やかに蘇る。 「バンド組まないか?ミナがボーカルで」 「え?私が?」 「俺もやりたい」 「俺も」 その後俺たちはそこそこ人気も出て、メジ

〔ショートショート〕ひと夏の舞台

また夏が来た。私の出番だ。遊園地の一角で、人々を涼しくするのが得意な私。みんな、悲鳴を上…

ネコハル
2か月前
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〔ショートストーリー〕白いかき氷

かき氷は食べにくい。特に、夜店で渡されるストローの変形のようなスプーンでは、こぼしてしま…

ネコハル
3か月前
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〔ショートショート〕リベンジトリートメント

いらっしゃいませ。初めてのお客様ですね?会員カードをお作りしますので、こちらにお名前を……

ネコハル
3か月前
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〔ショートショート〕記憶冷凍屋

記憶冷凍庫の中には、色も大きさも様々な花が並んでいる。ここの管理を始めて、もう何年になる…

ネコハル
6か月前
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〔ショートショート〕冒険は運次第

近所に料理店ができた。俺がネットで妻と二人分の予約をすると、注意書きが。 「当店は冒険者…

ネコハル
9か月前
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〔ショートストーリー〕青い未来

青写真が上手く描けない。思い返せば昔からそうだった。小学校の頃、「将来は何になりたいか」…

ネコハル
9か月前
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〔ショートショート〕白骨化スマホ

「不要なスマホを最新機種と交換いたします!」 こんな怪しい広告に釣られて、また客がやって来る。 「このチラシを見て来たのですが…」 「有難うございます!これは素敵なスマホですね。私は白骨化スマホのコレクターでして」 「白骨化?」 「ええ、全ての機能を無くし、ただのオブジェとなったスマホが好きで」 店主はズラリとスマホが並んだ棚を指し、 「ほら、機能を無くしても、個性があって美しいでしょう?」 「はあ…」 「それでは新しいスマホをお渡しするので、こちらにご記入下さい」 「え?家