「「ご冗談でしょう、ファインマンさん」II―ノーベル賞物理学者の自伝」(R・P・ファインマン)
書籍名:「「ご冗談でしょう、ファインマンさん」II―ノーベル賞物理学者の自伝」(「"Surely You're Joking, Mr. Feynman!" Adventures of a Curious Character」)
著者:R・P・ファインマン (Richard P. Feynman)
ネコデコ価格:800円
棚主ID:2350
書籍に挟んだ解説文
理論物理学者で、1965年に量子電気力学のある理論で朝永振一郎などとともにノーベル物理学賞を受賞したファインマンの自伝。
天才科学者と呼ぶにふさわしい業績を持つ一方、とてもチャーミングな人物で、学生時代にしかけた数々のイタズラ、趣味のボンゴ、日本訪問時の楽しいエピソードなど、彼の魅力が伝わってくる。
マンハッタン計画で原爆開発に参加しており、その当時の裏話は興味深い。
頭の良い人って、イタズラも楽しい
日本でも大学生向け物理学入門書「ファインマン物理学」シリーズで有名なファインマン(買ったけれど、まだ通読できていない^^;)。もちろん、本業の物理学研究も一流で、特に量子電磁気学の分野での業績に異論を挟む人などいないだろう。
そんな天才科学者のファインマンだが、楽しいことが大好き。イタズラも大好き。趣味のボンゴには相当入れ込んだようで、騒音が離婚の原因にもなったらしい。
「ご冗談でしょうファインマンさん」は、そんな彼の楽しいエピソードが満載で、上下2巻のボリュームだがあっという間に読めてしまう。
無邪気な科学者と原爆開発
原爆開発のマンハッタン計画に科学者として参加した経験もあり、かなりのボリュームでその当時の研究生活を綴っている。
ただし、新しい技術の開発に熱中する悪い意味で無邪気な科学者たちの姿を描く場面がほとんど。大量破壊兵器を生み出そうとしているんだ、という倫理観がすっぽり抜け去っている。原爆投下後に「虚しいことをしてしまった」と回想した記述はあるが、あっさりしたもの。
彼が生きていたなら、核兵器に対する本心を伺ってみたいな。