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「関西女子のよちよち山登り 3.大和葛城山」(終)

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 昼食を終えたあと、二人はロープウェイでふもとに下りた。歩いてすぐの場所から発車するバスに乗り、近鉄・御所駅(ごせえき)に向かう。

 バスに揺られながら、登和子は今日の登山を振り返っていた。

 結果オーライだが、登山道の崩壊には肝を冷やした。これからは必ず行き先の情報をチェックしてから登ることにしよう。

 また、優希を先導しなければと思っていたのに、逆に引っ張ってもらってしまったこともふがいなく感じる。最初に先輩風を吹かせた自分が少し恥ずかしい。

「優希、今日はなんかごめんね」

「何が?」

 前の席に座る優希がきょとんとした顔で振り返る。

「ノーチェックやったから、道、めちゃくちゃやったやん」

「ああ!まあびっくりしたけど、天然のアスレチックやん、私は結構楽しかったで!」

「そう言ってもらえるとありがたいわ」

 それから二人は電車に乗り換え、大和葛城山について話したり、眠ったりしているうちに近鉄・阿部野橋駅に着いた。

「山ちゃん、あさって会社で!山また行こなー」

 天王寺に住んでいる優希とはここでお別れだ。優希は改札の外から、JR・大阪環状線の乗り場に向かう登和子に手を振ってくれた。

 
 乗り慣れた大阪環状線の電車に乗り、ザックを膝の上に載せる。そして登和子は目を閉じた。

 今回の山も反省点はたくさんあった。
 だがそれ以上に、二人での登山はとても楽しいものだった。

 何よりの収穫は、優希からもたらされた情報だ。

 新しい目標に、登和子はドキドキしていた。

 山の上で温かい食事を作って食べてみたい!

                         (3大和葛城山-終)

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