考古学者で文学者で植物学者な発信者
自分のやりたいこと、迷走しててわからなくなっていた。
中学生の頃は心理学者になりたかった。
人の考えていることが全然わからなくて、気が利かない自分が嫌で、勉強してたくさんの人と接したらわかるようになると、思った。素敵。
高校生になって、考古学者になりたいと願った。
今でも思う。
歴史が好きだ。物語が好きだ。
源義経に恋をしたりもした。
歴史には、人物一人取り上げても、遺跡を一つ取り上げても、作品を一つ取り上げても、裏に何かストーリーがある。
そんなものに触れていたいと思ったし、その美しさや尊さを伝える人間になりたかった。
願わくば地域の埋蔵文化センターで土器の修復作業なんかがしたかった。
でも大学受験を前にして、文系の道は一度手放した。心理学も文学も歴史学も大好きだ。だからこそ自分で掘り下げて生きていける。
サイエンスだっておもしろい。でも一人では最先端についていけない。だから理系に行きたい。
薬学部に行くことを希った。
二年浪人してまでもやりたい夢があった。
植物が好きだ。
生物の体内の不思議が好きだ。
身近にサイエンスの面白さの入り口が転がっていることを伝えたかった。
全部ひっくるめて漢方の勉強をしてその最先端の魅力を伝えられる薬剤師になりたかった。
でも狂うほど頑張っても届かなかった。
いまは、大学で植物の勉強をしている。
これがなんとまぁ、楽しい。
生態系を眺めては、植物同士の静かな戦いに想いを馳せる。頑張って何千年も生き抜いてきた進化の戦略を、そのたくましさをかっこいいと思う。
植物はしたたかで、人間には想像もつかないほど賢い。
そんなことを考えて過ごす大学生活は、充実している。でも、将来何がしたいかはずっと分からなかった。
でも最近ふと気づいた。
一貫してやりたいことは、自分が楽しいと感じたアカデミックな魅力をできるだけたくさんの人に伝えることだった。
ゆる言語学ラジオ。
最近ずっと聞いてるポッドキャストなのだけれども、言語学好きの言語学者ではないパーソナリテイーが、彼自身が楽しいと思った言語学のテーマをゆるく楽しく語っている。
なにか学問を楽しんでいるひとが面白そうに話す姿って本当に素敵だし惹かれる。
これを見て、ふと、わたしがなりたいのはこれだと思った。
話すのは得意じゃない。でも素直に自分が魅力を感じたものをたくさんのひとにそのまま伝えたい。
友人には、学芸員になってイベントの企画者になることを提案された。
イベント企画は大好きだし学芸員の仕事もきっと楽しくて仕方ないと思う。
でも違う。もっと、大きいことがやりたい。
博物館や科学館に足を運んだ人しか出会えないのではなくて、もっと日常で、全く植物や歴史に興味の無かった人が、ふと、面白いじゃんって思ってくれるような存在を作りたい。
まだ、何かわからない。けれどもそうなるにはまだまだインプットはもちろん、出力装置が足りない。
一番近くにある伝える手段は、私にとっては、書くこと。
だから決めた。完成度が高くなくてもいい、とりあえず感じたことを、自分の感情を、もっと素直に自由自在に表現できるように、ここでたくさん書いてゆく。
これが新しく見つけた夢に向かっての第一歩。
いつかなにかにつながりますように。