本で世界が広がる
私は、本を読むのが苦手だった。
集中できないし、すぐ飽きるし、難しいというのが、理由だ。
でも、本を読める人は良いなと思っていた。
私は、最近スマホが故障した。Wi-Fiがあるところでしか使えず、Wi-Fiを求めて動き回って身体は疲れるし、電話も使えず不便だった。でも、これが実は幸いに転じているのである。
それは、本を読めるようになったのである。理由は明白。スマホがないから時間がありあまることと、スマホがなくて情報が欲しくてたまらないからだ。
そんなわたしの情報を欲する脳を利用して、図書館でよみたい本をかき集めてくる。
実際には、どんなタイプの本が合うのか分からずにいるから、イロイロとかりてみる。
小説、物語、歴史、自己啓発。
私は、いろいろな本を読んで世界が広がっている気がする。
例えば、私は『ロミオとジュリエット』を読んだ。感想は、うんまぁ、たしかに心動かされるなぁ。若いころの盲目の恋って恐いな。私もこういう時期があった。という感じ。
でも、よく『ロミオとジュリエット』って耳にしたし、たとえに使われたりしている。でも、それがなんだか知らなかった。
そんな私が、今はいや分かるよ。若いころって恋に一筋になって何も見えなくなることあるよね。と感想さえ言えるようになっている。
それって世界が広がっている気がする。
他にも、こんな本を読んだ。それは、小学生から高校生の読書感想文集みたいなの。
いろんな感想文があって面白かったが、家族の大切さや人間の大切さに結びつけて書かれてあるものがあった。
いやなんだか綺麗ごとだなぁと思ったけれども、その心を知りたい!と思って真剣に読んでみた。
そしたら、今ある周りの人たちとの関係を、当たり前と思わずに大切にしていこう。という心を感じた。
私は、外に出たときに周りの人たちの姿を見て、なんだか他人には思えなかった。
私と同じ人だし、なんだか親近感がわいてくる。一人暮らしで寂しいときもある私としては、なんだか心暖まりる体験でした。
また、最近はアメリカの黒人史という本を読んでおり、そこでも私の知らない奴隷の歴史を知った。
言葉にすることもできないひどい仕打ちを受け続けている歴史を知った。私は、その場にはいないのですが、なんだか身近に思えたものです。
本当に酷すぎて、わたしには耐えられないことを彼らは耐えていたんだなぁ、と思うとすごいのか悲しいのかわからなかった。
ただ、黒人の人たちへのイメージが少しは変わった気がする。ご先祖様がたは大変な思いをされてきたんだろうな。と
そんなこんなで、わたしの内側が少しずつ広がっていく気がしている。
ナチスが強制収容をしていたときに、その収容された人が本を読むのをナチスは恐れていたことを知った。
何故なら、本を読むことで考える力がつくからだという。それほどの効果が本にはあるようだ。
私は、2日間本をよむ日があった。一人暮らしだが、寂しくはなかった。それは、著者と対話していたからだと思う。
『著者と対話する』、年長者からでる知恵のことばだと思っていた。わたしも、この事が分かりかけている。