【全公開】こんな写真いかがですか?
突然ですが皆さん写真撮ってますか?僕はというと撮影するためだけに一人で外に出るのは嫌いなインドア派なので最近は家に引きこもって家にある物で写真の練習をしてます。
本題ですが今回はこの写真ができるまでの様子を全て公開します。
出し惜しみはしません。
どうぞ最後までよろしくお願いします。
では行ってみましょう!
・・・
1. 撮影準備
今回の被写体は飲み干した「サントリー白州」
今全く手に入らないし入ったとしてもめっちゃ高い。
なので中身をウイスキーと擬態させるために中にはめんつゆと水が入ってます。
厳密には白州の色はかなり薄いのですが緑の瓶だし別にわからんやろ(適当)
突然ですが、一つ大事なこと言います。
裏ラベル取ろう(迫真)
どうしても酒瓶は裏ラベルがついてくるのですがこの裏ラベルが結構曲者でめっちゃ映り込みます。なので必ず剥がしましょう。
ホコリとか指紋は大前提としてね。
次に撮影に必要なものをざっくり洗い出します。
・カメラ(何でもいい。)
・レンズ
・三脚
・ストロボ
・ソフトボックス
・PC
・Lightroom、Photoshopなどの現像、レタッチソフト
ワイが使っている機材
・カメラ:SONY α9Ⅱ
・レンズ:SONY 85mm F1.8(GMじゃない安いやつ)
補足
なぜ85mmなのかというと24mm、35mmみたいな比較的広角なものは周りの物が写り込むし少し歪むからです。試したことないけど50mmでも何とかなりそうだ
・三脚:なんか友達から1万円くらいで買ったちょっといいやつ
・ストロボ:GODOX AD300PRO
・ソフトボックス :GODOX 80cm×80cmの正方形(本当はあまりよくない)
・PC:Macbook Pro 2017年モデル
・レタッチソフトは上記の物
ほんとこんなもんです。
特別な物使ってなく、まぁアマチュアが少し真剣にやりだしたら最低限こうなるよね、みたいな機材です。
上の参考画像の通りです。諸事情で90mmマクロついてたりPCがなかったりと雑ですが脳内変換してください。
2. 撮影環境
6畳の和室です。
特に意味はないです。
家が狭いので撮影環境も劣悪です。撮影中は結構腹立つレベルで。
ここも余裕がある人なら白背景とかグレー背景を置いた方がいいです。あとで切り抜くので。
ブツ撮りをする上で一番大事なことはライティングです。
ここをこだわればこだわるほど、沼れば沼るほどいい写真ができると言っても過言じゃないかもしれません。
欲を言えばストロボ4灯、アートレ、白カポ、スタジオ(論外)とか欲しいものめっちゃありますけどあくまでアマチュア。やりすぎるとかえって撮影がつまらなくなります。
楽しいからやるのであって真面目になりすぎて燃え尽きるのは本末転倒です。肝に銘じましょう。
3. 撮影
長くなりましたがここからですよ。
今回はカメラをPCに繋ぐテザー撮影としてます。
理由としては2つ。
理由1
撮った写真をPCの大画面で見てピントズレやライティングの確認をしたい
理由2
後ほど切り抜くのでシャッターを押してカメラを動かしたくない。
理由3
やってる感。これ一番大事。
「うはっwww俺の撮影環境かっこ良すぎワロタwwwプロの現場みたいwww」
こういう気持ちも楽しさの一種です。
すまん理由3つだった。
今回僕の撮影環境は劣悪なのでテーブルみたいな台もありません。
なのでまぁ適当に空箱などで代用します。
こんな感じ
さっきも言いましたが今回は切り抜くので背景の露出は無視します。
撮影に対して結構気を使うことがあるのですができるだけ環境光はなくしましょう。
テレビ、家の電気などありとあらゆる「光」はシャットダウンです。
ストロボの光は強いのであんまり影響を受けないのですが暗闇の中でやるに越したことはありません。
上の写真のように被写体をセットして少し横あるいは横後ろ暗いから「パシャッ」
ベースとなる写真を撮ります。
この時ストロボの反対側からこんな感じでスケッチブックでも当てておくと光がバウンスするのでなんかやっとくと後々便利です。
まぁ瓶全体の写りは悪くないので良しとします。
本当はもっと伝えたいこと、注意する点とかいっぱいあるのですが文で伝えると頭ゴチャるので割愛します。
次にラベルですね。
右側からストロボを当てているのでどうしてもラベル左側が暗くなってしまいます。これを解消するためにラベル用の写真も「パシャッ」
スケッチブックで正面に光をバウンスさせてます。
あくまでラベルだけに注視しているので瓶への映り込みとかは気にしません。
あとはトップライトですね。
ストロボを手でおりゃっと持ち上げてふたに当たるように真上から光を当てます。
副産物として「1973」と書かれているラベルにも光が当たりましたね。
よしよし。
最後です。
これ質感を出す上でかな〜り重要なのですがバックライトです。
今までの写真だと飲み物入っている部分がまっくろクロ助だったと思いますがこいつをバチっと浮き上がらせます。
今回は撮影環境があまりにも狭いので後ろに回り込むことができませんでした。なのでソフトボックスを外してハニカムグリッドをつけて壁に向けてストロボ発射
こうなりますで候(壁にストロボ当ててる様子がバッチリ)
撮影is Finished
簡単にいうと
適正露出のベース1枚、ラベル用1枚、トップライト1枚、透かし用1枚ですね。
ストロボが4灯とか5灯あればこんなことしなくてもしなくてもいいんですけどね。今回はストロボ1灯なので仕方なし。
4. 現像
今撮った写真をLightroomに読み込ませます。
Lightroomの使い方とかわかる前提で書いてるのでわからない人はググればいっぱい出てくると思います。
今回は4枚の写真を例に挙げて書いてますが、実際はいろんなところに光を当てるため20枚くらい撮ってますがこの辺はまぁいいかな。
Lightroomに読み込ませたら使えそうな写真をレーティングして選別。
お気づきの方もいると思いますが全体的にマゼンタってますよね?
これは背景の色が中途半端な色なので色被りしてるだけです。
(これ少し覚えておいてください)
人によりけりだと思いますが、この時点で1枚ずつ明るさやコントラストの調整をしてしまってもいいかもしれません。(僕は面倒なのでやりません。)
なので読み込んだらレーティングした写真を全選択して「Photoshopでレイヤーとして開く」をクリック
そうするとPCがヤバイ音を立ててアチアチになりながらPhotoshopで写真を立ち上げます。
読み込みが終わりました。
全部やり終えたあとで「あ、noteに書くか」と思い立ったのですでに色々やってありますが気にしないでください。
5. レタッチ
レタッチの時間だああああああああああ!
ここからは完全に自己流ですがそれでも良い方は見ていってください。
とりあえず写真を読み込み終わったら写真を全選択してブレンドモードを「比較(明)」にしてください。
何が起こるかというとこうなります。↓
明るゥい!
要は全ての写真の明るいところだけ見えますよっていうやつです。(仕組みは割愛)
明るすぎるところとかいらないところを1枚ずつマスクしてブラシでゴシゴシします。
このとき考えてたことを文字に起こします。
ラベルの明るさがどうも気に入らなかったのでトーンカーブでラベルだけ明るくしよう。
「白州」の黒文字が少し色飛びしてたのでコントラストを強めて真っ黒にしよう。
とか考えつつゴシゴシすると、その結果下のような写真になります。
ベース完成。
正直ここ一番時間かかるから根気が必要です。
もっとよく知りたいという方がいればツイッターやってるのでどんだけでも質問してください。
んで、サントリーの瓶だけかな?多分後ろに変な窪みがあるんですよこれを修正
↑ビフォアフ
修正が終わったらとりあえず見た目OKです。
あとはこいつをペンツール使ってバシバシ切り抜きます。
たま〜に自動選択ツールでチマチマやってる人がいますけど、一発で自動選択されなかった時点で諦めた方がいいかもです。
境界線がガビガビになるので。
自動選択ツールでチマチマやるくらいならペンツールでさくっと切り抜いちゃった方が楽です。今回のような被写体は直線多いので比較的楽です。
ここまできたらもう簡単よ
背景を黒く塗りつぶしたのち、瓶の茶色からスポイトツールで色を持ってきます。
大きめのソフトブラシで真ん中くらいにえいっと
あとは切り抜いた被写体を配置して〜拡大して〜少し傾けて〜コピーして〜貼り付けて〜適当に配置して〜かんせ〜
ではないんですよね。なんか違和感ありますよね。
そうなんです。
ただコピーしたものをそのまんま貼り付けるだけだと「なんだ同じ被写体を複製してるだけか」って思われます。
ここまで時間をかけたのになんだその言い草は(自意識過剰)
なので思い切って右側の被写体を反転させてます。
そうすると何が起きるか、というと写真のように文字も大反転してしまうワケです。(当たり前)
なので、これを「どうしよか〜」と悩んだ時にこんな感じでラベルだけ切り抜いて上から重ねてしまおうということなのだ〜!(IQ99999の頭脳)
こうしたらホラ、光の当たり方も一見違うように見えるしコピーしたとは思えないでしょ、頼む思ってくれ。
で、当初はこれで完成だったんですよ。
ただ、めっちゃ違和感・・・瓶の口は緑なのに液体の部分が茶色いし。
本来こういう飲み物なんだけど見た目はおかしいな・・・・
なので液体も緑にしてしまおう!(天才)
ここで出てくるのが
『テレレレッテレ〜色相ツール〜!』(ドラえもんの声で)
調整レイヤーから色相ツールを取り出して、「マスター」と書かれているところを「イエロー系」に切り替えるんじゃ(突然の博士)
そうすると何が起きるかというと『黄色いところだけ色相が変化』します。
なので上記のようにチョチョイとやると
瓶が緑になった〜!(大歓喜)
ピカチュウ!右側にも同じアタックだ!!!
ほ〜らストレッチパワーが溜まって自然に見えてきただろ〜?
Photoshop is 終わり
6. 再現像
残念まだまだあるんじゃよ。
Photoshopでの苦難をしっかりと保存しましょう。そうすると「TIFF」という形式で保存されるはずです。
そのままLightroomに戻るとあら不思議、レタッチを終えた写真くんがLightroomに移動されているではありませんか。
ここまできたらおそらく皆さんがやっているであろうやり方でパラメーターを触っていきます。
この写真のコンセプトは「大人っぽいエモさ」でいきたいので、コントラスト強めで温かみを持ったダンディーな感じに仕上げます。
まず青みが強かったので色温度を結構右に振りました。
覚えてますでしょうか?先ほど「マゼンタってる」と言ったこと。
少なくとも背景の色がバウンスしてラベルや瓶にもマゼンタが入ってしまっている可能性があるので瓶の色と合わせて色被りをグリーンに振りました。
露光量から以降は上の画像の通りです。
ラベルの部分が白飛びしてたのでハイライトと白レベルで抑えつつ暗いところは少しあげる、結構どこにでも使えるパラメーターの形です。黄金比
トーンカーブもそこまで触ってません。
簡単にいうとこういう色の写真は結構レッドがマッチすると勝手に思っているのでレッドのトーンカーブを気持ち上にあげてます。
あとはそんなに触ってないですね。
トーンカーブのこれもこんな感じ。(なんていうんだっけ)
次にHSLですね。ここ結構迷いました。
Photoshopで液体の部分をイエロ→グリーンに変えたと思うのですがただ色相を変えただけなので若干イエローみを感じます。
これをなんとかするためにゴニョゴニョいじってこうなってます。
レッド、パープル、マゼンタは今回の写真には悪い子だったので触りません。
というかどの写真でもあんまりパープル、マゼンタって触らないですね。
カラグレもこんな感じ。液体の部分と瓶の部分のツヤツヤ感が少なかったので気持ち中間域のグリーンを足してあげただけです。
そもそも元がよかったからLightroomでは大きくパワメーターを動かすということはしておりません。
あと単純にカラグレホイール使いにくい。
で、補正前と補正後はこんな感じです。
色温度をイエローに振ったことにより温かみが出ました。
コントラストも高くなり引き締まった感じになりましたね。
こんなヘンテコな写真が
このように変化しました。
いかがでしたでしょうか?
よくよく見たら修正箇所があったり甘いところもありますが1個のカメラとストロボと時間があればこんな写真が出来上がってきます。
本当はストロボが複数台あればこんなこともしなくていいのですが、自分は結構この「レタッチ」という作業が好きなので苦痛には思ってません。
こんなもの写真じゃない!とかいう人もいるかもしれませんが僕はあくまでアマチュア。作品も縛られる筋合いはありません。
こういったことに楽しみ、達成感を得られる方、挑戦してみてはいかがでしょう?
こんな写真いかがですか?