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#別冊インタビュー

藤田真央インタビュー#01 「作曲家の理想の音を蘇らせる存在でありたい」

藤田真央インタビュー#01 「作曲家の理想の音を蘇らせる存在でありたい」

――クラシック・ピアノ界の輝ける星。そんな存在と対面して、ひとつ素朴な疑問が湧きました。音楽世界の住人からすれば、言葉による伝達や表現なんて、ずいぶんまどろっこしいものに感じられるんじゃないか、と。
 
 いえいえ、わたしはどちらかといえばおしゃべりなほうだし、本も大好き。いつも何かしら手元に置いて読んでいますし、言葉に囲まれて生きています。
 音楽と言葉の関係ってたいへん興味深いですよ。両者はと

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藤田真央×恩田陸「ピアノで、言葉で、世界を奏でる」スペシャル対談〈後篇〉

藤田真央×恩田陸「ピアノで、言葉で、世界を奏でる」スペシャル対談〈後篇〉

▼藤田真央×恩田陸スペシャル対談〈前篇〉▼

▼藤田さん連載「指先から旅をする」▼

★新しい地平を開拓するのは、いつだって怖い恩田 東京オペラシティで行われたリサイタルのアンコールも印象に残っています。ご自分で作曲された《パガニーニの主題による変奏曲》、ジャジーなアレンジでしたよね? 
 あれを聴いて、藤田さんはジャズも向いていらっしゃるんだろうなと思いました。

藤田 そうだ、恩田さんは学生時

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藤田真央×恩田陸「ピアノで、言葉で、世界を奏でる」スペシャル対談〈前篇〉

藤田真央×恩田陸「ピアノで、言葉で、世界を奏でる」スペシャル対談〈前篇〉

▼藤田さん連載「指先から旅をする」はこちら

★天衣無縫のモーツァルト恩田 お久しぶりです。お目にかかるのは『蜜蜂と遠雷』のコンツェルト収録(2018年8月13日)以来ですから、もう4年になりますか。

藤田 そうですね。あの時は初台の東京オペラシティで、バルトークの《ピアノ協奏曲 第3番 Sz.119》を演奏しました。金子三勇士さんと河村尚子さんと私でそれぞれコンツェルトを1曲ずつ、3曲を1日で

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