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異国の地、イタリアで建築事務所でのインターンすること、その足取り、所感について


このnoteのターゲット


現在留学を目指している人
海外の建築事務所でのインターンを探している人
もろもろの情報を求めている人

初めに:基本情報


現在日本の大学に在籍。3年生
昨年2024年の9月からイタリアのローマ大学サピエンツァへ留学。
トビタテ留学japanでの奨学金採択に必要なもののひとつ、実践活動を行うにあたり、建築事務所でのインターンを選択。
スキル:建築系CADやその他基本的なPC操作
イタリア語は話せない

建築事務所でインターンを決めた理由


①一番大きな理由は奨学金採択にあたっての実践活動。私の目標に必要であろう物事を考えるときに、建築事務所で働くことがあった。
②建築関連、特に設計職に就くには全くと言ってよいほど実績もスキルもなかったので経験を積みたかった

足取り


2024年1月~2月 建築事務所へポートフォリオと履歴書の送付。
トビタテ応募段階でインターン先(実践活動先)が3月までに必要だったので出国の半年前から準備していた。
20件から30件ほど連絡を取り、その中から一社から返信をいただき、面接。(連絡が返ってきたのも1社)
オフィスはなく、オンラインで働くとのことだった。

2024年6月 
トビタテ採択

2024年9月
突然、インターンの受け入れは難しいと連絡をもらい急遽新しいインターン先を探すことに。
ローマに限らずイタリア中の建築事務所に連絡を取る。おそらく30~40社ほどの建築事務所へ連絡を取るが全く返信がなかった。連絡媒体はメール、facebook、linkedin、indeed、イタリア版indeedを使用。
ダメもとでローマ大の教授をしつつ建築事務所を行っている先生に連絡を取る。(教授と建築事務所の両立は建築系だと珍しくない)
その先生の紹介で現在の建築事務所を紹介していただき、面接。採用となり今に至る。

採用に当たって


数十社に連絡を取ることは普通。
イタリアに限った話かもしれないが、すぐに連絡が取れる親しい人に頼むのが大切。法律関係の職業に就いておられるホームステイ先の大家さんにも、インターン先の紹介をお願いした。書類に目を通してもらうことは叶ったが、フォリオの形式が悪かったのだろう、不採用とのことだった。しかし選考段階まで行くことはできた。建築系に限らず、優秀な医者など生活に関係するもの含めいろいろなものがコネとのことらしい。メールを送って探していた時は相手にもされなかったが、先生の紹介していただいた際には面接、採用までスムーズだった。
私は学位を持っていないが学位を持っていること(現在修士であったり、修士号取得していること)は必須レベルで大切だろうと感じた。

ポートフォリオ、CV(履歴書)


CV(履歴書)は書き方のフォーマットがありインターネットで調べれば出てくるだろう。そのフォーマットに従い書くと良いと思う。
問題はポートフォリオ。日本で良いとされているポートフォリオでは相手にされない。採用された後で他の友人達のポートフォリオ(すでに他のインターンに採用or既に労働中)を見せてもらったが、全く違った。
書き方はまた別のnoteで書く予定だが、調べたら出てくる(かもしれない)のでポートフォリオを作り直すことを推奨。

仕事内容


詳しいことは書けないが、インターン初日から職務。対象範囲と仕様書、相手方の要望書を与えられそれに従い設計。あいまいな部分は自分の考えを入れて設計するが全体のおおよそ1,2割程度。
規模としては、自分では考えられないほど大きい規模。
労働時間は平日毎日朝9時から夜7時まで。大学がある際は休み連絡を入れて休むことができるが、基本的に上記の時間働く。
給料はなし。もちろんインターンなので当たり前。他の建築事務所では給料の代わりに住居の提供や、バイト代が出るところもあるらしい。

労働環境


イタリアなので、もちろん会議や会話はイタリア語。私は全くイタリア語が話せない。
人との関係は良好。みんな優しい。どうしてかはわからないが、おそらくイタリア人だからだろうと思われる。インターン生を募集していると言っていたがインターン生は自分を含めて二人だけだった。
わずかな愚痴だが、椅子が硬い。硬すぎる。痔が悪化した。


所感


結局どうして私を採用していただいたのかわからない。理由を聞いてみたが、君が日本人だからだよ、このインターンを楽しんでねと伺った。
仕事は滞りなく進ませているが何より言語の壁やスキルの壁があり、仕事がたまに遅れたりもする。仕様書は他言語、パソコンの設定や会議や会話はイタリア語、CADの設定は英語。頭がごちゃごちゃになる。イタリア語は全く話せないのに、一日中聞いていたりすることや、聞き逃したら文字通りの死なので聞き逃さないように注意していたら夢の中でイタリア語で話していた。ちなみに私はイタリア語を話すことはできない。

しかし必ず歴史に残るであろう建築物の設計に携わることができている。その国で観光をしようとすれば必ずその建物が紹介されるであろう、そして建築雑誌、建築史にも残るだろう。そのような設計に携われていること、構造に支障がでないようなほんの少しの部分であるが私の「気持ち」を込めることができていること。仕様書をくまなく読み込み、その国の歴史や背景を必死に調べた甲斐があったと考えているが、これほど嬉しいことはない。

現在学部三年で、日本でインターンを探そうとしても学位を持ってないと相手されない中、スキルもない、イタリア語も話せない自分が働いていることは奇跡にも等しいだろう。
そのような環境を与えてくれた今の事務所には深く感謝している。

終わりに


noteを書くに当たって事実ベースの部分には私の気持ちを込めることは控えた。先行noteを探してみたが、ポエムチックになっているようなものは読み辛い印象を持っていたからだ。
しかし道のりは長く、苦しいものだった。
どれだけメールを送っても返信は帰ってこない。日々ただ過ぎるのみ。修正点もわからず、フィードバックもなく、どうして返信がないのかもわからないまま自分で反省点を決め打ちし修正を繰り返す日々ははっきりと地獄だった。
目標達成のため、奨学金の為、インターン活動は必須で切羽詰まっていた。
ポエマーになってしまう気持ちも理解できる。

今はイタリア語がわからず会議についていけず、必死に言語の勉強をしている。足りないものばかりである。

アドバイス


国によって、環境によって、属性によって全く変わってくると思うが、一つ言える大事なことは情報集めだと思う。
友人や日本の先生、留学先の先生、インターネットで情報発信している人、使えるものは何でも使った方が良い。闇雲に行動することは時として大切だがコネや情報一つですぐ解決するものはすぐ解決してしまった方が良いと考える。(受験など実力を測られるものではないから)

インターンを探すことが一番大変だろうと思うので頑張ってください。下記に私の連絡先を載せているのでもし何かあれば連絡ください。

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