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生きて故郷に帰りたい…ただそれだけ…

今日は9月26日です。段々寒くなっていきます。温かいお茶を飲みながら秋の夜長の楽しみ。

今回はMy favorite~映画編~vol.3
映画レビューです。

ダンケルク

2017年 クリストファー・ノーラン監督

最近インターステラーにはまり、インセプションを観て頭がグールーグル😵
そして今日はこのダンケルクです。

戦争映画は好きで良く観ています。何故好きか?と問われると…
もともと歴史が好きで、また映画を観るのも好きでして、歴史物の映画は数多ありますが、小さい頃はプラモデル作りが好きで、良く戦車、戦艦などを作っていたことが理由ですかね。

しかし、年を重ね戦争映画の観方が変わり、近代史、歴史書、文献を読んでいくうちに戦争からは何も生まれない虚しい人間の所業で有ることなどに気が付いて、ただ、戦車がかっこいいとか、激しい銃撃戦が凄いとかではない、登場人物等の背景、心情に惹かれて、観る本数は増えていきました。

ストーリー

時代は第二次世界大戦時、1940年5月26日~6月4日。
場所はダンケルク。

”ダンケルク”とは

フランス本土最北端、ベルギー国境から10キロの地点に位置し、ル・アーヴルとマルセイユに次ぐフランス第3の港湾都市。

イギリスとの距離は最短で70km(ドーバー海峡を挟みます)。
この距離感だとピンと来ないので、道産子としては津軽海峡を例にしてみると

大間町の大間崎と函館市(旧・戸井町)の汐首岬の間は津軽海峡が最も狭くなる場所であり、その直線距離は20Km

だそうです。泳いでは渡れない距離ですね。😨



フランスにてイギリス、フランス、ベルギー、カナダからなる連合軍が、ヨーロッパ全土に宣戦布告したドイツ軍と交戦するが、ドイツ軍の進軍の勢いがが激しく、撤退に次ぐ撤退を強いられた連合軍、ドイツ軍にダンケルクまで追い詰められ包囲される。

この映画は包囲されたダンケルクからイギリスに撤退するそれだけの話ですが、ノーラン監督は3つの視点から物語を紡いでいきます。

トミー2等兵等の視点

劇中ダンケルクの街から命からがら浜辺に逃げてきます。浜辺には撤退中の連合軍の兵士が大挙して脱出の艦艇を待っています。

この浜辺は戦争が無ければ、風光明媚な綺麗な浜辺なんだと思います。
しかし、そこは戦死者はそこらじゅうに生と死が混在する場所。

すぐそばまでドイツ軍の機甲師団が迫り、海上にはイギリスの病院船、駆逐艦など停泊しているが、海中にはドイツ軍潜水艦”U-ボート”が艦艇の攻撃を行い、また空にはドイツ軍の戦闘機等も飛んでおり、危険極まりない場所。

浜辺で死体を埋葬していたギブスンと名乗る無口な兵士。トミーは多くは語らずともこの場から逃げる為に、近くにいた負傷兵をギブスンと一緒に担架に乗せ病院船まで連れていく。
(こうすることで、並ばずに済み艦艇に早く乗れる)

<ポイント>
陸上から一兵の視点で描く。

ドーソン親子らの視点

この救出作戦は”ダイナモ作戦”と呼ばれ、イギリスの民間人であったドーソン親子がイギリス軍の命令で、個人所有する船が徴用される。

仕方ない状況であるが民間人と言えど戦時下、敵船などから攻撃にさらされ生きて戻れる保証はない。船をダンケルクに進めるさなか、沈没した船に残っていた兵士を助けるが、その兵士はダンケルク向かうことを知るとパニック状態になり、ドーソン親子と一緒に任務の為乗船していたジョージを船内で突き倒してケガを負わせる。

<ポイント>
海上から民間人の視点で描く。

ファリアンとコリンズの視点

空軍の彼らはダンケルクの脱出作戦の援護のためにイギリス本土よりダンケルクを目指して戦闘機3機で向かう。

途中敵との交戦により隊長機が早々と撃墜され、彼ら2人で目指すが、ファリアンも撃墜され、ドーソン親子に救助される。その後コリンズは一人で撤退部隊の援護を行う。

<ポイント>
空から見た海上や陸地の兵士たちの様子を描く。

それぞれが見て、感じ、行動し…

この映画は3つの視点とそれぞれの人物等の時間軸が徐々に折り重なる

トミーらは必死な想いで、船に乗ることが出来るが、度重なる敵の攻撃で船が沈められ、その度浜辺に戻される。

ドーソン親子は救出したパニック状態の兵士やその後に救出したパイロットのファリアンなどから戦場の緊迫感をひしひし感じながら、ダンケルクに向かう。

コリンズは自分の戦闘機も被弾しており、本来であれば基地に戻ることもできたが、作戦遂行の道を選び、いつ墜落するか分からない状態で燃料と弾薬が尽きるまで飛び戦い続ける。

各3つの視点に共通していることは、それぞれの感情は押し殺しつつ場面が進み、戦争からは何も生み出さず、怒りや憎しみ、そして、悲しみを淡々と描き、ただひたすら生きることへの執念を感じさせます。

まとめ

作中、連合軍内でも、兵士の国籍が違うことや部隊が違うことで、常に生と死の狭間に立たされ、民間人であろうが容赦なく殺される。
戦時下において人間性どんどん失われていく過程がリアルに描かれる。

最後はそれぞれの目的は達成されるが、その後の描写は三様で、ノーラン監督のメッセージが込められています。

第二次世界大戦を舞台に、撤退を克明に描いた作品はこの映画を観るまでは記憶に無かったのですが、兵士一人一人に家族があり、必死に生き抜く様子が106分に凝縮された作品です。

追伸

夏から秋にかけ、クリストファー・ノーラン監督の作品に触れる機会に恵まれ観ています。
ただいま上映中の”テネット”はこれまでの作品とは違うと評価を得ています。

ますます進化していくノーランワールドを堪能したいと思います。


今回はこれまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは次の記事でお会いしましょう。

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よしぱら
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