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アキのエッセイNo.33ー引きこもりニートでADHD傾向の兄のやり取りスキルを上げるために「×○リスト」を作成しました!

こんにちは、アキです。

No.5の記事で「引きこもりニートの兄」がいて、その兄との関わりについて考えたことを綴りましたが(以下にNo.5の記事を載せます。気になる方はお読みいただけると幸いです)。


兄は、完全に家族との関わりを拒否しているわけではなく、むしろ家族との会話を楽しみ談笑することもあるくらいですから、深刻なレベルではないのでしょう。

ただ、十分に他者とやり取りが出来るのかと問われると、「難しい」と答えざるを得ないです。

兄は「ADHD傾向」という診断を受けているのですが、とにかくマイペースで、他人の指図を受けたがらない。他者への配慮は全くないわけではありませんが(物を取る、電気をつけるなどの小さな行為はしてくれます)、「食器を洗って」とお願いしても一切やりません。家事を手伝うことは一切なく、自分のやりたいこと(ゲームや読書)をただひたすら行ない、食べたいときに食べて寝ることを毎日繰り返す。

クラフト療法というものを、引きこもりの相談員さんと一緒に行っているのですが(もとはアルコール依存症の治療法だったものを、引きこもりの家族の治療へと応用したもの。主に当人ではなく、「当人の家族向け」に治療法が確立されています)、今までのセッションで、「本人が安心して引きこもれる環境を作る」、「小さな刺激(声かけ、出来ることをお願いするなど)を与える」などは実施できていますが

「ポジティブなコミュニケーションの実施」というタイトルの項目で

課題①「細々とした小さな頼み事をしてもらう(物を取ってもらうなど)」

課題②「当人への声かけ、会話に関心を持ってもらい、返答をしてもらう。その情緒的交流により安心感を得てもらう」

などは比較的上手くいったのですが

課題③「食器洗いを促しにより部分的にも行ってもらう」ことが、ほとんど出来ませんでした。

予想はしていましたし、おそらく今後も難しいかな?と思うところですが、「どうして食器洗いをしないのか?」に焦点を当てて、兄の行動・心理を分析してみました。


1.兄の行動・心理の評価

まず、兄は食器洗いが「出来ない」のか「したくないのか」に焦点を当てました。

兄は知的にも作業スキル的にもレベルは高いほうです。ほんの時々ですが、自分で食器を洗うときがあります(1ヶ月に1度くらいの頻度です)。

ですから、「したくない」から食器洗いをやらないのだと考えられます。

兄は、年齢不相応な発言を家庭内で繰り返し発言しています。特に妹である私の前では顕著です。

それは「退行現象」というものらしいですが、つまり「甘えたい」という欲求の現れでしょう。

「物を取る、電気を消す」などを、家族に頼まれて行うことはあるため、「全く他人に関心がない訳ではなく、そのくらいの配慮は出来る」ということです。

ただ、「食器洗い」はやりたくない。

その理由として

・面倒くさい

・どうせ家族の誰かがやってくれる(甘え)

・他にやりたいことがあるからやりたくない(ゲーム・読書など)

などが考えられます。

また、常にスマホを手放すことはなく(スマホでゲームや読書をするため)、食事中でもトイレでも持って行ってはいじっています。

おそらく、それがないと「落ち着かない」のかもしれません。

スマホ=安心ツールであるならば、無理矢理取り上げるのはかえって逆効果と思われます。

つまり、他者への配慮は少しは可能ではあっても、「食器洗い」という行為は本人にとって「負担(面倒くさい)に感じる作業」であり、また、「安心できる世界(ゲーム・読書)に少しでも長くいたいから、やりたくない」。また、「自分がやらなくても家族の誰かがやるはず」と考えているためにやらないという選択をしているとまとめることができます。

年齢不相応の発言が見られると言いましたが

愛猫に対し、「赤ちゃん」、「お前等はなんでも許される」というワードを繰り返し遣っています。

それは、つまり「自分はなんでも許される赤ちゃんでいたい」という気持ちの表れではないかと私は推測しています。

もしそうであるならば

「安心して引きこもれる環境」を提供するのは良いとは思うのですが

「なんでも受け入れてくれる環境」が「なんでも許してくれる環境」になっている、つまり「家族が自分にとって都合の良い存在」になっている可能性もあるわけです。

それは、あまりよくないですよね。

家族も集団社会の1つです。

家族間においても、「やっていいことと悪いことがある」ことを教えなければならないと私は思います。

そこで、またまた作ってみました!

家族間のやり取りにおける「ルール」を!

していいこと、してはいけないことのリスト

名付けて「×○リスト」を作成してみました!


2.×○リスト


×:してはいけないこと


1.「ご飯だよ」と食事に呼ばれた時に、すぐに来ないこと

理由)

・ご飯は家族と一緒に食べて欲しい。そして、一緒に食卓を囲むことでコミュニケーションを取って欲しい(家族の願い)。つまり、「一緒に食べたいから早く来て!」


2.食事中にスマホをいじる

理由)

・食事中は食事に集中して欲しい(話す、TVを見るぐらいならOK)。見ていて不愉快に思う人もいる
・特に外食時、ウェートレスさんが来たときは、スマホは見ないで、相手を見た方が快い


3.食べ終わったら、食器を洗い桶につけるのは○。だが、洗わないで放置は×

理由)

・食器の片付けは「自分でやってくれると助かる」ため。家族の負担を少しでも減らすために協力して欲しい


4.妹への暴言

理由)

・「だからお前は駄目なんだ」「お前とは違うんだ」とか、明らかに相手を傷つける発言はやめてほしい
妹だって人間なのだから傷つく


○:していいこと、出来ればしてほしいこと


1.猫の世話の手伝い→餌、トイレ掃除など

理由)

・家族に頼まれたときにやってくれると助かる


2.家族と一緒に食事

理由)

一緒に食べた方が美味しいから!!
一緒に食べたい!という家族の気持ちをくみ取って欲しいな!


3.家事の手伝い(食器洗い、洗濯物とりこむ・干すとか)

理由)

・ただでさえ妹、父もくそ忙しいから、やってくれるとめちゃくちゃ「嬉しい」!!(食器洗いだけでもやってくれると助かるよ)


4.ゲームや読書(食事以外でやるのはOK)

理由)

好きなことに没頭するのは良いことだと思うよ!
食事中は食事に集中して欲しいから、それ以外の時間でなら構わない


5.色んな楽しい話(雑学など)をしてほしいな!

理由)

もっと話そうよ!
・色んな楽しい話(雑学など)をしてくれると私も楽しいし、面白い!


6.物を取る、電気を消すとか(細々とした小さいこと)

理由)

・チャンネルとかドレッシングを取るとか、そういう些細なことをしてくれるだけでも「ありがたいよ!」


このような感じで、理屈をくどくどと並べるのではなく

「こうしてくれると嬉しい」「助かる」など

兄が働きかけることで

家族が「助かる」「嬉しくなる」「楽しくなる」など

家族のポジティブな感情が表出される仕組みを最大限表現してみました。

自分だけが嬉しい、楽しい

だけではなく

家族みんなが嬉しく、楽しい状態が一番良い。

ということを伝えたかったのです。

細々とした作業を頼まれれば行う人ですから

全く他者(家族)への配慮が出来ない訳ではありません。

ただ

自分の方向ばかりに意識が向き過ぎて、マイペースになってしまうところがあります。

「全てを許して欲しい」という願いに応えることはできません。それを容認すれば、ますます自立が難しくなります。

他者への関心はあるため、「何をしていいか、悪いのか」を「他者のポジティブな感情と絡めて」しっかりと教えれば、おそらく習得できるかもしれないと私は思ったのです。


3.兄の反応

リストを作成し、早速兄に読んで聞かせました。

案の定

スマホ画面に集中し、年齢不相応な発言を連発しながら

「聞きたくないアピール」をしてきました!

ですが、

年齢不相応な発言を連発してきたということから

「私の話を聞いてはいる」ということがうかがえます(聞いているから、聞きたくないアピールをしている)。

兄は、他者からの指図を受けることを嫌います

ですから、「他者から指摘を受ける」、「何かをお願いされる」なんてことはなおさらです。

ですから

一回読んで聞かせて終わりではありません!

何度でも繰り返し、このリストを提示したり

リストに載っている項目について

出来たら「褒める」、「感謝する」

出来なかったら「やるように促す」など

「刷り込み作戦」を実行しようと思います!


4.親(特に母親)に対する怒り

私も発達障害の傾向がありますが

兄は、セルフモニタリングが出来ていないところから見ても

やはり私よりも傾向は強いです。

また、退行現象もあることから「愛着形成不全」が見られます。

兄がここまでやり取りや常識的行動に支障が出てしまったのは

発達障害による影響だけといえるでしょうか?

親が言うには、幼少期から、兄が「普通の子とは違う」という印象はあったらしいです。

では、なぜその兄を今まで「放置」したのでしょうか?

両親は中学校教師です。教育者として、不適切行動を叱ることはありました。しかし、「叱るだけ叱って、言うことを聞かなければ放置」というパターンを繰り返していたと、私は記憶しています。

特に印象的だったのは

レストランに家族で行くと、決まって兄はおもちゃのコーナーの前に座り込んで、長時間おもちゃを眺めていました。

それを、親はいつも「放置」していました。

今思えば、そこで親は「食事しに来たのだから席に座りなさい」といさめ、自制することを教えるべきだったと思われます。

兄は自制心が効きません。

それは、親が「常識的なことや他人への配慮など、社会に出て必要なスキルについて教えず、形式上叱るだけ叱って、聞かなければ放置していたからだ」と思います。

要するに「親のしつけがなっていなかった」ということです。

本当に、「中学校で何を教えているの?」と突っ込みたくなります。

幼少期の内に、きちんと「いいこと、悪いこと」の違いを教え、「他人を思って行動することの大切さ」を教えていれば

ここまで自己中心的にはならなかったと思います。

というより、私もそうですが

兄も十分に支援の対象だったと思います。

「頑張れば普通になれる」とか根拠のない自信を持って私を放置した上に、頑張ることが難しかった兄に寄り添い、何ができて何が苦手なのかを一緒に考えて対処していかなかった親、特に「母」に対して怒りが止まりません

自分でその方法が分からないのであれば、支援機関を頼れば良かったのに、それすらもしなかった。

結局、母は「自分の仕事を優先」したために、兄は今、引きこもりニートとなり、自分の世界に閉じこもっています

今からでも、兄と面と向き合って、これからどうしていくのか一緒に考えていくべきなのに

母は相変わらず仕事と趣味に没頭しています。

「貴女は、仕事と趣味に打ち込む資格はないでしょう?」と言ってやりたいです。

正直言って、私は母親を母親と想うことが出来ません。

(父は割と家族への関心があり、兄に対しても理解してくれています。ですから父に対してはそれほど怒りはないです)

すみません。愚痴になりました。

愛着形成不全もあるため、その解消のために「母親が兄と面と向き合う」ことがベストなのですが

それは現状では難しいと思われます(母はワーカーホリックなので)。

少しでも兄が他者(家族)とのやり取りで、相手を配慮した行為ができれば、その行為を通じてポジティブな感情が生まれれば、その行為は強化されます。

少しずつでもいいから自立していってほしいです。

いつまでも家族が面倒を見切れるわけではありません。

親は年を取っていきますし、私もいずれは結婚して家を出るかもしれません。

×○リストによる刷り込み作戦が少しでも効果を発揮してくれればと思います。

お読み下さりありがとうございます!









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