言葉の花束ーアキの詩集No.185
1.「ヒロインごっこ」
身近な色んな男を
次々と好きになってしまったのは
恋に
恋していたから
ドラマのヒロインのように
恋や男に
翻弄されたかったから
望んだ通り
振り回されるのは楽しかった
でも
心の奥底が
空虚なままだった
だって
私を本当に愛してくれる男なら
私を
振り回したりしない
ヒロインごっこは
もう止めたい
ここまで傷つかなければ
気付かない私は
本当に
愚かな女ね
2.「歌という薬」
お気に入りの歌を
頭の中でリピートして
その歌の色に
心を染める
魂に響く歌は
心を癒す薬だ
その薬を
処方するのは
明日また
頑張るためじゃなくて
心の痛み苦しみを
少しでも緩和し
忘れるため
強がりな私が
少しでも安心して
弱ることが出来るように
歌という薬を
心に処方するの
3.「自分のケア」
冬場は
手が乾燥し
荒れる季節
お風呂上がりに
スキンケアと共に
手もケアしていく
保湿クリームと
軟膏を塗り込めば
手に潤いが戻り
いくらか痒みや痛みが
和らいでいく
気にしなければ
放っておいても良いかもしれない
けれど
自分への労りは
怠りたくはなくて
じゃないと
自分に失礼だと思うから
4.「感じることが苦しくなる時」
感じること
それ自体が苦しくなる時は
色んな情報を遮断して
心を休めることが正解なのだろう
だけど
それすらも苦しい場合は
どうすれば良いの?
他人が良かれと
アドバイスした言葉が
何一つ響かなかった
自分をどこまで
変えれば良いの?
自己否定になるだけなら
そこまで正しく生きたくないよ
まずは
自分が自分であることに
安心したいよ
5.「弱くて醜い自分」
あれもしてはいけない
これも感じてはいけない
なら
私は何をして良いの?
何なら
感じて良いの?
怒りも憎しみも
人のあらゆる
人としての権利を剥奪し
何もかも抑圧して
私は何になりたいの?
正しくなくて良い
強くなくても良い
弱くて醜い
自分も好きになれたら
楽なのに
6.「自分を愛する」
私は
誰からも愛される自分を
愛したかった
だから
誰からも愛されない自分が
たまらなく嫌いだった
でも今は
私は色んな人達に
愛されている
それは
心から自分を愛しているから
他の誰かに
嫌われても揺るぎなく
自分を愛せるようになったからなのだろう
7.「本当の私」
普通になること
人に優しくすることが
生きる条件だと思っていた
だから
必死に目指したよ
でも
演じていたのであって
それは
本当の私ではない
かりそめの自分を
受け入れられても
心は満たされない
いつの間にか
本当の自分が分からなくなって
自分を抑圧することが
当たり前になった
普通でない
優しくない
そんな私でも
生きて良いのかな?
それを許可するのは
他の誰でもなく
自分だよ