やめられないのが旅というもの

新幹線から降りて、澄んだ空気を肺いっぱいに取り込む。それだけで元気になれたきがした。

一週間前まで仕事が立て込み、ストレス発散がしたくてほぼ無意識に石川県金沢市のホテルに予約したのが事の始まりだ。少しでも遠くへ行たい一心で有給まで使っての一人旅。

旅行誌に大きく取り上げられた甘エビを食べて、一年以内に願いが叶うお寺に行って、日帰り温泉まで足を運んでもいいかもしれない。ワクワクしながら駅を出ると、金沢駅前の鼓門が私を待ち構えていた。

「さーて！ 一泊二日、思いっきり楽しむぞー！」

見たことない景色、土地勘のない地域だって自分から開発していけば見知った場所になる。無我夢中に足を動かし、世界を広げる。それが私の一番の気散じなのだ。