【短編小説】海と予言と、
夢を見ていた気がする。
そこは穏やかな海だった。サンサンと光を注ぐ太陽とカモメ達の声、少し離れたところには少し古びた白い灯台がどしんと建っている。平和の光景そのものが俺の見ていた光景だった。
なぜそんな海の前に居たのかと聞かれれば、なんとなくだ。お気に入りのバイクを走らせたくて、どこに行こうかと考えて思いついたのがここだったから。
ああ、俺は星野雅(ほしの みやと)、24歳。
3ヶ月前に1年と少し務めた会社を辞めた絶賛無職。
仕事を辞めた理由は、急に変わった上司と馬が合わ