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小説詰め

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ちょんまげネコ即興短編小説集
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記事一覧

【現代小説】どんな時でも食べて、飲んで

こちらの小説は、サークル名「カフェのおとも」が最初に作ったオリジナル小説本の本編です。 …

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【短編小説】バブリンガル

今年四月、大手乳幼児生活製品メーカーから赤ちゃん用翻訳機「バブリンガル」が発売された。 …

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【短編小説】いざ!かわいいへの冒険へ!

かわいいって、なぁに? 例えば、ピンク色のリボンとか。ハートの形のヘアクリップとか。ふわ…

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【短編小説】黒の絵

世界で有名なアルペフコフ美術館に新しい展示品が入ってきた。 それは、キャンパスを黒で塗り…

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【短編小説】離れても愛しの子から

初めてナナと出会った時、彼女はとても怯えた目をして牙を向けて元気よく「シャー!」と威嚇し…

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【短編小説】人魚になった日

その日、私は人魚になった。 「こら、待ちなさい! 祐美どこ行くの!」 七月二十六日土曜日…

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【短編小説】いつかの列車にて

「ああ、煙草臭い」 夜を静かに走る電車の中、俺は言った。 どいつもこいつもスパスパ吸っては灰色の煙を吐いて憂鬱しい世の中になったもんだ。この車両も人は居ないのに臭いが染み付いて鼻が曲がる。 電車が停車し、開いた扉から一人の男が乗ってきた。背広姿の猫背な男。酔っ払っいとは違うふらふらとした足取りで向かいの椅子に座る様子を見て、こいつも臭いなと思った。 「あんさん、せっかく戦争時代を生き抜いたのに不運だな」 男はゆっくりと顔を上げ、俺を見る。 血色が悪く、目の下の隈が黒々

【短編小説】星の旅路

きらり、星が降る。 静まり返った夜の街、ちろちろ流るる小川の隅。さわさわと風に揺れる木々…

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【連載小説】ファインディング・ユー!第1話

■あらすじ ジェイリートは魔法のある世界で、何かしらの時空のトラブルに巻き込まれやってき…

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【短編小説】ガオちゃんねるのこれまでを語る

この話は完結済連載小説「雨水と共に流れるは」の番外編です。 本編を読まなくても楽しめるお…

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【短編小説】雨水と共に流れるは

雨は、嫌いだ。 しとしと、とんとん、絶え間なく続く音も素敵だとか思ったことないし、傘差し…

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【最終回】この恋はチークと共に6

前回はこちらから⬇ ■導かれた、恋の行方 最近、三浦くんが素っ気ない。 アフターヌーンテ…

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【連載小説】この恋はチークと共に5

前回はこちら⬇ ■不器用な恋の仕方 『三浦くん、おはよう! 良かったら今度ここに一緒に行…

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【連載小説】この恋はチークと共に4

前回 ■迫る新時代 三回目のデートの日はすぐに来た。 待ち合わせの駅のホームに降りた時、つま先が震えた。 大丈夫、今の私は美人なはず。 レッスンした通りのメイクだってだいぶ自分のものになってきたし、何度だって鏡も見た。 それ以前に三浦くんには化粧が変わったことなんて全く分からないかもしれない。会ってすぐに容姿を褒めて貰えるかもなんて少女漫画の読み過ぎだ。何も期待せず、フランクにいこう。うん。 待ち合わせ時間の十分前なのに、三浦くんはもう改札口前に居た。すぐに目が合って、