【短編小説】雨水と共に流れるは
雨は、嫌いだ。
しとしと、とんとん、絶え間なく続く音も素敵だとか思ったことないし、傘差してても濡れるし。
あとは梅雨でも寒い時はめっちゃ寒いし。
昨日買ったばかりの白いスニーカーが歩く度に汚れていくのをみて、これまた俺はイライラした。
スーパーへ買い物に行く前は曇ってたのに、店出たらこれだ。念の為傘持ってたのがせめてもの救いだろうけれど。
布製の買い物バッグはそれなりに濡れるんだろうな、と思うとため息が出た。
所沢裕太、大学三年生。一人暮らし。
単位はもう入学してがっつ