【短編小説】私の愛の方向は
健太はいつでも眩しい。
小さい顔、高くて形のいい鼻、メイクいらずの涙袋、唇は薄く、髪は腕のいい美容師さんに整えて貰っている。
足がすらっとしているから、黒のチノパンがよく似合っていて、ジム通いしてる効果で無駄な肉が無い。誰にでも人懐っこくて「犬系」と呼ばれる性格らしい。
そんな彼と付き合えた私。何かの間違いだと心の奥でいつも思っていた。
健太が私にプレゼントを買ってくれるとか、デート先のお店を予約してくれるとか、毎日のメッセのやりとりももちろん嬉しい。
それでもこんな彼