「もはや美術館⁉」 京都 黄檗山萬福寺(前編)
今日は「黄檗山萬福寺(おうばくざんまんぷくじ)」のお話。
名前がなんかもうすごいですよね。
黄檗山萬福寺は、1661年に中国僧「隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師」によって開創されました。禅師は、中国明朝時代の臨済宗を代表する僧で、中国でもともと黄檗山萬福寺の住職をしていたそうです。
その当時、日本に来て欲しいと何度も頼まれていたことから、1654年、禅師63歳の時に弟子20名を伴い来朝したとのこと。
そしてついに、宇治の地で、自坊と同じ「黄檗山萬福寺」と名付けたお寺を開きます。
萬福寺は宇治市にあり、JR奈良線・京阪宇治線共に黄檗駅から徒歩5分という近さにあります。
萬福寺の特徴はまずはなんといっても、とにかく敷地が広い‼︎
初めて行った時は本当にびっくりしました‼︎
しかも私が行った時はたまたまほとんど人がいなかったので、ほぼ貸切状態でした。
今回の萬福寺については、建築様式や随所に見られるデザインが素敵なので、そちらに注目してご紹介したいと思っています。
まずは「総門」からスタート。
この総門は、中央の屋根を高くし、左右を一段低くした中国門の「牌楼(ぱいろう)式」を用いてるそうです。
そしてこちらは三門。
写真にある「萬福寺」の額と、写真にはありませんが、このさらに上に「黄檗山」という額があるのですが、どちらも隠元が書いたものらしいですよ。
ここを入れば、「脱俗の清浄域」とのこと。
なんだかちょっと緊張。
ここをくぐると、
お~とっても広い‼︎
前に見えるのは萬福寺の玄関にあたる「天王殿(てんのうでん)」です。
左右に見えるX型の組子を入れた勾欄は、襷勾欄(たすきこうらん)といい、日本ではあまり見られないもので、チベット・中国で使用されているデザインらしいです。
こちらには「弥勒菩薩(布袋)坐像」がいらっしゃいました。
布袋さんは弥勒菩薩の「化身」といわれているそうです。ちなみにこの像は、木造とのこと。
裏には「韋駄天」が。
他には四天王が祀られています。
歩くところがきれいに整えられていますね。
特徴は、見ての通りこの屋根付きの回廊。
萬福寺の伽藍は全てこの屋根付きの回廊で結ばれているそう。
この回廊が独特の雰囲気を出していますね。
ここ萬福寺は一般的な日本のお寺の建築とは異なって、中国の明時代末期頃の様式で造られているとのこと。なので、チーク材にもこだわっているとか。
でもね、確かに他の寺院とは雰囲気が全然違うんですよ。うんうん。
境内をのんびり歩いていると、「私は一体どこに来たんだろう」と不思議な感覚に。
天王殿から右に進んで行くと「斎堂」へ。
斎堂とは僧侶さん達の「食堂」らしいです。
外には魚鼓(ぎょく)と雲版(うんぱん)がありました。
・魚鼓→日常の行事や儀式の刻限を報じる法具。魚の形で木製。
・雲版→朝と昼の食事と朝課の時に打つ。青銅製。(雲版の写真がなくてごめんなさい)
魚鼓は本当に大きくて、なんとも言えない存在感です。
次は、萬福寺の中央にある「大雄寶殿(だいおうほうでん)」へ。
こちらは萬福寺の本堂であり、最も大きい伽藍となります。
御本尊は「釈迦牟尼沸(しゃかむにぶつ)」です。
ど真ん中には綺麗な壺のような物が。
その奥に見える正面入口には、とても可愛らしい桃の彫刻がありました。
こちらは「桃戸」といって、魔除けの意味があるそう。こんな可愛い魔除けがあるんですね〜。
左右には円窓もありました。
あと、写真ではちょっとわかりにくいのですが、この天井にも特徴が。
こちらの天井は龍のお腹を表しており、「蛇腹天井(黄檗天井ともいう)」というそうです。
天井の垂木が弧を描き、本当にお腹に見えてくるような気がします。
龍のお腹って、こんな感じなのかな…
後編は、境内をさらに詳しく見て回ります‼
つづく。
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