【映画レビュー】そういえば私は信者だったことを思い出したので全くフェアには観られない『フルーツバスケット prelude』の感想
祝日に観に行ってきましたが、大阪・なんばパークスシネマのお昼の回がほぼ満員でびっくりでしたよ。
『フルーツバスケット prelude』のざっくりとした感想
『フルーツバスケット prelude』を観てきました。
高屋奈月先生の名作漫画「フルーツバスケット」を新たにアニメーション化する企画が、3シーズンに渡って放送し無事に完結を迎えた上で、そんなアニメシリーズから抜粋した総集編と、主人公透の両親の視点で描いた前日譚や、高屋先生書き下ろしの透と夾の後日談が描かれます。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……。
すごく良い映画体験でした。
……ただし、注釈付き。
というのも、私は原作の『フルーツバスケット』が大好きでして、高校生時代に思いっきりハマっていたクチです。
原作が大好きだったもので、今回アニメーション映画で久しぶりに『フルバ』を観て(最新のアニメシリーズを未見)、懐かしさや忘れていた作品への「好き」の気持ちが溢れてきました。そんなわけで、私はこの映画を悪く言えない!!
そんな背景を踏まえて、以下もうちょっと詳しい感想をお聞きくださいませ。
間違いなくこの映画は一見さんお断り映画だ!
『フルーツバスケット』信者とはいえども、この映画が“ど”がつくほどの一見さんお断り映画であることははっきりと申し上げておかないといけませんん。
TV放送されていたアニメシリーズ(↑)で描かれたであろう、透くん(女の子)の物語は中途半端になぞる程度で、これ一本で『フルーツバスケット』を知ろうとするには手落ちどころか、物語の1番のクライマックスを不完全な状況で観ることになるので最悪です。
今回のメインである透くんの父母の話も、いかにして本田透がこんな人間になったのかを踏まえた上で観ると面白いのであって、このエピソードだけを一本観たところでは、なぜこの話が描かれているのかに疑問を持つことでしょう。
あくまで『フルーツバスケット』の新アニメシリーズを観た人のボーナストラック的な映画であることは間違いないですよ、これは。
よみがえる『フルーツバスケット』への愛からの100点
そんな一見さんお断り映画……いつもなら肌に合わないタイプの映画のはずですが、そんな私が心地よく観れたのはやはり原作漫画を読んでいたから。絵的な構成からセリフ、展開など、いずれも原作をリスペクトした内容になっており、
「そうそう!こういう話だった!」
「この人はこういう人だった!」
と次々にかつて夢中になって『フルーツバスケット』の記憶がよみがえり、その懐かしさや当時読んだ時の感動を味わうことができました。
こうして楽しむことができたのも、不容易な改変を行わず、忠実に原作の物語を再現したからこそでしょう。原作準拠で物足りなく感じさせるケース(『劇場版銀魂THE FINAL』はそんな例)などもある一方で、当時から時間を経ての鑑賞というタイムラグが、私のこの映画への評価を高めてくれました。
正直、土管の置いてある『ドラえもん』の空き地みたいのが出て来るシーンや、とある交通事故に関して「どういう轢かれ方だよ」みたいな展開など、冷静に考えるとこれおかしいだろ……みたいな部分もあるんですが、そんな冷静になる自分に対して、もう一人の自分が、「原作準拠だよ」と優しく語りかけるような体験となり、ツッコミどころも含めて寛大に受け入れることができました。
私は透くんが末長く幸せで居てくれたらそれで良い。
漫画の記憶がよみがえったから100点です。
なぜ『フルーツバスケット』が好きなのか?
そもそも私がなぜこの『フルーツバスケット』をこれほど好きなのかといえば、主人公の本田透こと透くんのことを私は強くリスペクトしているからです。
透くんという人物は、異常なぐらいのお人好しなのだけど、頑固な一面もあったり、みんなの幸せを強く願っているという、人間版アンパンマンみたいな理想的な人間像をしていて、私は「かわいい」とか「推し」というよりも「尊敬」に近い愛を抱いています。
そんな透くんへのリスペクトが、しばらくこの作品に触れていなかったせいで、うっかり薄れてしまっていたことを思い出しました。まさに一生の不覚。かつての思いを再び思い出させてくれたという意味でも、私はこの映画に感謝せねばなりません。
『フルーツバスケット』の製作陣の皆様。令和の時代に、『フルーツバスケット』をよみがえらせてくれてありがとうございます。私にとって、すごく大切な体験となりました。心より感謝を申し上げます。
そんなわけで新たなアニメシリーズもこれからちょっとずつ追っていこうと思います。3クールは長いけど、長く楽しめると思えば、最高ですよ。
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