【映画レビュー】見てくれで拒否感を示すのはもったいなし!『さよならの朝に約束の花をかざろう』の感想
ブログでは事前にあまり紹介できなかったのですが、結構楽しみにしていた映画です。
『さよならの朝に約束の花をかざろう』のざっくりとした感想
『さよならの朝に約束の花をかざろう』を観てきました。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や「心が叫びたがってるんだ。」の脚本を務めた岡田麿里さんの初監督作品です。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと・・・
ひじょーーーーに、良かったです。
という感じで見事な一作でございました。
ざっくりではなくもっと踏み込んだ感想を書いていきます。
『さよならの朝に約束の花をかざろう』の踏み込んだ感想
■ファンタジーを舞台にこんな人間のドラマを描くのか!
事前情報でファンタジー系の舞台設定と聞いて、そういうのが苦手な身としては、申し訳ないながら距離感を感じておりました。人間よりも寿命の長いイオルフという種族の物語とのことで、なんだかそんな架空の存在のキャラクターの話を親身になって観れるのかなー……という心配もあったのですよね。
結論から言えば、そんな心配、全然杞憂でした。
本作で描かれているテーマは生死や親子、戦争などなど身近に感じられるテーマ。終始現実に起こっている問題などが想起できて、他人事どころか思いっきり私たちの世界を描いているような映画でした。
だからこそ所々で、たくさん考えさせられたし、たくさん共感できて、さらには涙が止まらない瞬間がありました。いやぁ、見事です。
こういった作品って興行面も心配であろうに、よく企画を通しましたよ。そういう意味でもレアです。
まさか主軸が親子の物語とは……。実は「おおかみこどもの雨と雪」等とも並べがいのある映画かもしれないですね。
■美術の美しさにも感動!美しすぎるぞ、おい。
物語と同じぐらいどころか、もはやそれ以上にすげー!っと思ったのが
背景美術です。
作中でも美しい世界といったような言葉で言及されるシーンもあるんですけど、本当に言葉の通りこの映画の世界は“めっちゃ綺麗”なのです。
こんな美麗背景が、これでもかというぐらいに出てくるのですよ。
かつて新海誠監督の映画なんかで、画の中のあまりの描き込みっぷりに脅威を感じましたが、あの時に感じた驚きの再来でした。俯瞰してみた世界の街並みや大自然の美しさたるや、ため息が出てしまう程なのです。前述のようにファンタジーな世界観に心配していた身なので、まさかその世界観の部分に感動させられるとは思っていなかったので嬉しい誤算でした。
その画の美しさだけでも観る価値があると思うので、本作を気になっている人はぜひ足を運ぶべきですよ!
映画関連グッズに美術を使ったクリアファイルが用意されてるところとか、分かってるゥ。ファイル自体はいらないんだけど買うか悩みました。
■まだ一回目では理解し得ていないことも諸々……
ただ、個人的にはいろいろ腑に落ちないところも多々あり。
最終的に主人公のマキアが起こすある行動……からのある別のキャラクターの顛末には、“あれ”で良かったのかどうか、映画を終わったあともいろいろ考えています。
この映画の中で登場するドラゴンの存在やなんなら今作の『さよならの朝に約束の花をかざろう』のタイトルの真意など、暗喩的な部分が多く、いろいろ理解しきれていないんだろうなという部分が多く、正直100%この映画を味わいつくした気もしていなかったりします。
実は、恋愛物語的な側面でも楽しみたかったんだけど、そこんとこは上手い具合に避けてきましたね。
シンプルで分かりやすい映画ではないので、そういうデティールの部分まで考えてもらえるかといえば、多分人は選んでしまうんだろうなぁという気がします。まぁ、映画の肝となるマキアとエリアルのエピソードがシンプルな分、良い按配といえば良い按配なのかもしれないですけどね。
まとめ
というわけで、すっごく良い映画でした。
あえて言うなら真面目すぎて固さは感じるので、突出するほどの私の「好き!」につながる映画ではなかったのですが、ひじょーーーーーに誠実な傑作映画でしたよ!
大ヒットこそ厳しいでしょうけど、ある程度のヒット作となってくれたら嬉しいです。
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岡田監督は『泣き猫』でも脚本を担当しておりました。(↓)
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