【映画レビュー】私がグッと来るコナンに求めるポイントが見つかった『名探偵コナンハロウィンの花嫁』の感想
早速公開日に足を運んで参りましたよ。
『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』のざっくりとした感想
『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』を初日の大阪・TOHOシネマズなんばさんの昼の回で観てきました。人いっぱい。そして女性率高め。7:3ぐらい?
GWシーズンではおなじみの劇場版名探偵コナンシリーズの最新作。
今年はついに25作目。
佐藤刑事と高木刑事の結婚式や、安室と同期の警察学校の面々などが絡んでくるという、かなりコナン知識を問われてきそうな内容…….とはいえ、コナン映画ブランドの可能性を引き上げた安室さんがキーとなる作品でもあるだけに、今年こそ100億を狙えるのかは注目です。
監督は『ハイキュー!!』シリーズの満仲勧氏。脚本を『紺青の拳』や『から紅の恋歌』の大倉崇裕氏が務めます。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
手堅い!!
コナン映画随一とまでの絶賛をしたくなる映画ではないのですが、高木刑事&佐藤刑事の話も盛り込んで、警察学校編の話も盛り込んで、劇場版ならではの大事件にしなければいけなくて、……と、やらなきゃいけないことが多い題材の中で見事な安定感を見せた秀逸作。
傑作と言いたくなるほどのドラマや、映画級のアクションにまでは至らなかったのが惜しいと思いつつ、TVスペシャル以上の体験ができました。感謝ー。
もっと詳しい感想を、ネタバレありでざっくりでなく詳しく書いていきます。
私が観たいコナン映画でやって欲しいこと
「事件解決のカタルシスを味わいたい!」とか「安室さんの活躍が観たい!」とか名探偵コナンの映画に求めているものは、それぞれ違うと思いますが、正直私は『コナンらしい映画が観られたらいいなぁ』とぼんやり思いながら映画館に通っています。
そのコナンらしさって、トンデモトリックだったり、リアルとファンタジーの間にあるコナンのフィクションラインだったり、と私の中でも複数あるのですが、その中でも最近のコナン映画ではあまり観ないと思っているコナンらしさが、コナンが小学生の姿であるからこその演出。
すっかり博士の道具で高校生探偵どころか人間ですらなくなってしまったコナンが、もはや小学生である意味なくなってきていると言う事態に、もはやコナンを小学生にした意味なくないか?と長らく感じていました。
そんな中……でのこの映画ですよ!!
爆弾犯プラーミャに復讐を誓うナーダ・ウニチトージティのリーダー・エレニカの暴走を止めるべくコナンが使った奥の手が、まさかの小学生の身体!
エレニカがコナンに対して、自身の子供を重ねて見ているのを読んだコナンは、小学生の自身の身体を利用してエレニカの復讐を止めるというファインプレーを見せてくれました。
ここで私の中で
「うわぁあああ!コナン映画だー!」
と感動しましたよ。
ありそうでなかった、コナンが小学生の姿になったという設定の活かし方に感動。しっかり見たことないコナン映画が観れただけで私の中で合格点。満足です。
時勢との合わさり方もしみじみ
そしてもう一つ、今年のコナン映画で「すごい!」と思ったのが、そんなエレニカたちがロシア系であるとこ。
上映前に爆弾犯のルールがロシア系という設定に、昨今のロシアのウクライナ侵攻と重なって不穏な気持ちを抱いていたのですが、蓋を開けてみたら、そんなナーダ・ウニチトージティの面々と協力して渋谷の大惨事を回避するというクライマックスに胸熱。
直近でJR恵比寿駅から「ロシア語案内」撤去というニュースを見たばかりだったので、ロシア人と手を取り合うクライマックスは短絡的な民族差別に抗うような姿に映って、感動が増しました。
これ、ドラえもんと一緒で本当に偶然なんだろうけど、そんなマジックも含めて映画体験。すごく良いクライマックスでした。
ちなみに恵比寿駅のロシア語案内はすぐに元に戻されたそうです。
国を憎んで人を憎まずでいきましょう。
どう足掻いても軟派にさせるコナン映画の面白ポイント
以上、2点を踏まえて今年のコナン映画は十分満足なんだけど、これらってフェチズム的なポイントだと思っていて、映画の大筋としての面白さのようなものは感じなかったというか……やはり随所の面白ポイントがこの映画を軟派にたらしめているんですよね。コナン映画。
まず何、あのハロウィンデザインのキャプション。
気が抜ける可愛さ。
そして、安室さんのガラスケース。
爆弾首につけながらオシャレなイスに座ってワイン開けてるのギャグみたい。
そして謎の青と赤の液体よ。
コナンの微妙なフィクションラインだからできる画期的なアイディアなんだけど、渋谷中の装飾に仕込んでおくとかいう無茶苦茶な犯行も笑えるんだけど、それで渋谷中を水浸しにして大爆発を起こすというスケールのデカさがギャグみたい。
そしてそれを阻止するための博士の発明である巨大サッカーボールよ。
博士があれで庭にクレーター作ってるのとか、ギャグみたい。
昭和アニメかよ。
こういうポイントにツッコミを入れるのは、コナン映画に対しては野暮だし、内心そういう面白を期待している自分も居るのは確かなんだけど、やっぱりどこかで映画のグレードが一つ下がっているような感覚が私の中であるんですよね。
いまだに私はどこかで、こういったノイズのないコナン映画を望んでいるのかもなぁ……なんてしみじみ思う『ハロウィンの花嫁』でした。
おまけ1:音楽好きー
あー、あと菅野祐悟さんがアレンジしたメインテーマカッコ良かったです。
あまりコナンに合ってないよなーと思っていたBUMPの主題歌も、鑑賞後の後味にはいい感じにハマってました。
パンフレットのコメントの淡白さも必見です。
あれこれ話したいところが溢れ出てくるような映画だったので、行くかどうか迷っている人には全然オススメできる方のコナン映画でしたよ。
今年はアリ。
おまけ2:来年のコナン映画は……
恒例、来年の映画予告。
今年は、水中らしき映像にジンらしき人物の声で「会いたかったぜ、シェリー」のセリフ。
来年はもしかして、待望の灰原回!?
やったー!
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