君はこのカエルのネットミームを知っているか!?というかネットミームって何かを知っているか!?『フィールズ・グッド・マン』の感想
ドキュメンタリー映画なのですが、アニメーションも意外と噛んでる映画なので、noteで取り上げておきます。
『フィールズ・グッド・マン』のざっくりとした感想
公開は2021年3月なので、結構時間が経ってしまっていたのですが、大阪・シネヌーヴォさんではまだ上映してくれていたので、滑り込みで見に行ってきました。
フィールズ・グッド・マン
製作年:2020年 / 製作国:アメリカ
監督:アーサー・ジョーンズ
本作は、とある漫画のキャラ漫“カエルのぺぺ”がアメリカでネットミームとなり、流れ流れて思想の扇動キャラクターへと変化していってしまって、作者も困っていく.....というドキュメンタリー映画です。
そもそも“ネットミーム”と言って、ピンと来ない人もいると思うので、簡単に説明すると、ネット上での流行物のこと。中でもイラストや映像などに対して使われることが多い言葉です。
特徴としては、ネットの人たちによって勝手に改変されたり、全く違う文脈で引用されたりしていることで、日本でもいろんなネットミームが日夜生まれています。
そんな中でも、アメリカで流行ったネットミームが、この映画の主題となるコミック「Boy’s Club」の登場キャラクター“カエルのぺぺ”。
このぺぺがどう流行って、どんなキャラクターとなっていったのかが、この映画一本で知れるようにできています。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと......
大変勉強になる秀作!
恥ずかしながらこの映画を観るまで“カエルのぺぺ”のことを知らなかったのですが、アメリカのスケールになるとネットミームもこんな事態にまで発展するのか!というぐらいの事態になっていってビックリ!
中盤にはトランプ大統領を生んだかつての大統領選にも触れられるのですが、あの選挙の裏でも、このぺぺが暴れていたと言う事実が明かされて、国に影響与えるほどになっていたことにびっくりですよ。
また面白いのが、そういった思想の印象が根付いてしまったことの他に、仮想通貨の領域にも進出して、ぺぺ長者みたいな人まで登場しているのが笑えるわ、悪ふざけはここまでのものになってしまうのか、というキャラクターの一人歩きの極地を思い知りました。
このホーマーぺぺというデジタルカードは3万9千ドル......400万以上の値段で落札されてるんですけど、落札者が映画にも登場してます。ランボルギーニで颯爽と登場してこの人だけ、めちゃ浮いているのがまた皮肉な話。
作者マット・フューリーの知らないところで勝手に流行って、いつの間にかヘイトシンボルに認定されたり、経済的な価値が付随したりにまで至って好き勝手されている様は、ちょっとマットさんがかわいそうなんだけど、しれっとグッズ展開しようとしてたりするとこも笑えました。
今後もネットミームに関するトラブルはなくならないとは思うのですが、それに付随した未来の事件に向けた予習として、おさえておいて損はない映画でした。
で、なぜアニメ映画がテーマのnoteで、この映画を取り上げるかといえば、実は作中の随所に、カエルのぺぺのアニメーションが盛り込まれているから。
映画の20%ぐらいはアニメーション映画です。実質。
ドキュメンタリー映画にメリハリを付けたり、ポップに見せるのに、アニメーションは効果的ですが、この映画においては、オフィシャルな“カエルのぺぺ”に命を与えるということでも意味があったように思います。
アニメーションの語源は、ラテン語で生命や魂を意味する“anima(アニマ)”。二次創作で好き勝手に改変され尽くしたぺぺのアイデンティティを取り戻す映画になっているでしょう。
日本上映向けの特別映像の話やざっくりではなくもっと踏み込んだ感想を書いていきます。
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