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ENTPの最高の伴侶はINTPという話

 ENTPにとってINTPがいかに最高の伴侶であるかを私の経験を踏まえて力説します。


1. 頭文字だけが異なるMBTIは相性が良い

 頭文字(外向性/内向性)のみが異なるMBTIには、優勢機能と補助機能、代替機能と劣勢機能が入れ替わるという関係性があります。例えばENTPはNe-Ti-Fe-Si、INTPはTi-Ne-Si-Feです。
 外向性のみ異なるMBTIの組み合わせは一般に相性がいいと言われます。これは、知覚機能(情報の収集・処理方法:S/N)と判断機能(意思決定の方法:F/T)の組み合わせが一致しているためです。
 情報の捉え方と意思決定の方法が一致していることで話が噛み合いやすく、意見が異なる場合も意見に至るプロセスが理解できるためすり合わせもしやすく、衝突やすれ違いが少ないのでしょう。

 INTPとの相性の良さについては後述しますが、いったんINTP以外のMBTIとの相性を見ていきます。

2. ENTPの優勢機能Neと補助機能Ti

 ENTPの優勢機能Neは、外部の情報を積極的に収集するという点でSeと似ていますが、情報を抽象化して処理するという点でSeと異なります。
 情報を抽象化することで正確性や厳密性は失われますが、過去の文脈や将来の可能性、情報間の類似性などによる意味付け・関連付けがしやすくなります。
 Neからすると情報をそのまま処理するSeは面白みがなく、SeからするとNeは不正確でトロいため、NeとSeは相互に排他的な知覚機能です。

 ENTP の補助機能Tiは、自己の中で整合性のある論理を構築する判断機能です。
 Tiは客観的な事実に基づかない結論がいかに脆弱であるかを経験的に理解しており、相対化した客観的な事実に基づき論理的に物事を整理することを重視します。
 Tiは、客観的な事実に基づかず、かつ、破綻しているとTiが考える論理を受け入れないため、感情や信念に基づき判断するFiに対して排他的です。

 このように、NeはSeと、TiはFiと相性が悪く、これらの心理機能を優勢又は補助として用いるMBTIはENTPと相性の良い候補から脱落します。

3. NeとNi、TiとTeの関係

 前項では、知覚機能と判断機能が正反対となることによる相性の悪さを説明しました。ここでは、NeとNi、TiとTeのように心理機能内で外向的/内向的が変わる場合について見ていきます。

 NeとNiはいずれも抽象的な情報を扱う知覚機能ですが、Neは情報の収集に焦点があり、Niは情報を用いて洞察を得ることに焦点があります。
 TiとTeはいずれも論理的な判断を行う判断機能ですが、Tiは結論を出すことに焦点があり、Teは客観的な事実や基準に基づくことに焦点があります。
 このように外向的/内向的が異なる場合、それぞれのユーザーは補完的な関係にあり、業務などで適度な距離感を持って協力すると良い成果に繋がります。
 しかし、深い関係となる場合は焦点の違いを理解する努力が必要となる努力が必要となるため、完全にリラックスできる関係にはなりません。
 ここから、NiやTeを優勢機能又は補助機能として用いるMBTIも候補として脱落します。

4. 相性をねじ曲げるFe

 ここまでの検討で、ENTPと相性が良いMBTIはだいぶ限られてきました。ここで、相性を考える上でイレギュラーな要因となるFeの影響を検討します。
 Feは相手の感情や集団の雰囲気に反応し、それらに適応した判断を行う心理機能です。
 Feを優勢機能又は補助機能として持つMBTIは、ENTPとの相性の良さを偽装することができます。
 とはいえS/NやF/Tの壁を越えることはできず、FeユーザーでもN又はTが劣勢であればどこかでENTPの不興を買うことになります。
 ENTPとの相性の良さを完璧に偽装できる唯一のFeユーザーはINFJ(Ni-Fe-Ti-Se)です。INFJはNeとNi間の焦点の違いをFeにより埋めることができ、代替機能TiによりENTPと同じプロセスで判断を行うことができます。
 INFJはENTPの最良のパートナーとされますが、これはINFJがNeを補完するNiを提供しつつ深い関係を構築できるためでしょう。余談ですが、ENTPも代替機能としてFeを持つため、相性の悪いMBTIともほどほどに付き合うことができます。

 さて、ここまでの議論から、ENTPと深い関係を築けるMBTIはINTPかINFJ、そして他のENTPに絞られます。タイトルのとおり私はINTPが最良のパートナーであると考えており、以下ではその理由を解説します。

5. INTP(Ti-Ne-Si-Fe)の素晴らしさ

 最初に述べたように、INTPはENTPと同じ知覚機能と判断機能を持つため、コミュニケーションに余計な労力や配慮が不要です。
 加えて、INTPはENTPのTiを強化します。INTPのTi-Neは判断に必要な情報をNeで知覚するため、ENTPが判断に困ったときもINTPに情報を提供することでより良い判断が得られることがあります。
 INTPにとってもENTPが適度に共有する情報はTiの良い判断材料となるため、互恵的な関係と言えるでしょう。
 
 また、INTPは代替機能としてSiを持ちます。SiはENTPの劣勢機能であり、優勢機能Neと合わせてENTPが継続的なルーティンを正確に実施することを困難にします。
 結婚生活においてはSiは不可欠な心理機能です。家事や子育ては継続的なルーティンの最たるものでしょう。INTPはSiをENTPに提供し、ENTPの生活が破綻しないようハンドリングしてくれます。それでいてSiはINTPの代替機能に過ぎないため、教条的でなく、手を抜いていいところではINTPも手を抜くというENTPに優しい働きをします。
 ただ、ENTPがあまりにSiを放棄するとINTPが疲弊するので注意が必要です。

 最後に、INTPは劣勢機能にFeを持ち、他人の感情に配慮することが苦手です。共同生活の中ではキツい指摘や癇に障ることを言われたりもするでしょう。
 ただ、INTPの容赦のないコメントはほとんどが正論であり、ENTPの成長の糧にもなります。Tiの詰めの甘さやSiの不足をINTPに指摘してもらい、省みることで、ENTPはより良いENTPとして成長できるはずです。
 おまけとして、ENTPはFeに意図的に逆らうブラックジョークが大好きですが、ブラックジョークであることを理解して一番笑ってくれるのは間違いなくINTPです。

6. INFJ(Ni-Fe-Ti-Se)の相性の再検討

 INTPの素晴らしさを見てきたところで、もう一度ENTPとINFJとの相性を検討してみましょう。
 INFJはNi-Feにより、ENTPに寄り添いながらNiを提供します。Niは物事の因果について洞察を得る知覚機能であり、自らの内部に蓄積されたパターンを参考にしつつ、目の前にある問題の未来を予測します。
 Neは物事の将来の可能性を評価すると言われますが、それは現在存在する無数の可能性が好きというだけです。Niは、現在ある物事に多くの可能性があるということよりも、未来に実際にその物事がどうであるかに関心を持ちます。INTJの友人(最強弁護士)によれば、1つの点を未来に打ち、未来から現在に向かって逆算するという感覚のようです。 
 
 Neは今が大好きなので、Niを真似することはできず、Niには委任的な姿勢になってしまいます。私はここにINFJとINTPの差があるように思います。
 INFJはENTPに対してNiを提供しますが、ENTPがNiを伸ばすことはできないので、ENTPは成長することができません。
 INTPは優れたTiとSiをENTPに提供しつつ、ENTPのTiとSiの成長を促すという点で優れています。
 また、Niの未来予測は生活よりもビジネスで真価を発揮するものであり、ビジネスにはINTJやENTJという最強のNi提供者が存在します。生活ではSiの方が有用であり、この点でもINTPが優れていると言えるでしょう。
 また、しつこいようですがENTPの下劣なジョークにノリノリでブレストしてくれるのはINTPです。

7. ENTP最高の相棒、INTP 

 ここまでの議論は以下のように整理できます。

INTPはENTPにとって、以下のような相手である。
・知覚機能と判断機能が同一であり、自然体でコミュニケーションしても話が噛み合う
・ENTPに欠けるSiを融通を利かせつつ補完する
・叱咤しつつTiとSiの成長を促す
・悪ノリやブラックジョークにノリノリで付き合う

 上記より、ENTPにとっての最高のパートナーはINTPであると言えます。ENTP同士はSiの補完がなく、生活の予後は厳しいでしょう。
 私は結婚式で配偶者を「戦友」と表しましたが、8年後の今も配偶者とは戦友同士、相棒同士であり続けてきたと思います。ここに記載したINTPの性質は、私が配偶者との5年間の交際期間と5年間のDINKs生活、3年間の子育て生活を通じて感じたものです。
 まだ生涯の伴侶と出会えていないENTPの諸氏は、INTPとの可能性に思いを馳せてみませんか。

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